第1429日目 〈創世記第25章1/2:〈ケトラによるアブラハムの子孫〉、〈アブラハムの死と埋葬〉&〈イシュマエルの子孫〉withマクペラの洞穴虐殺事件〉 [創世記]

 創世記第25章1/2です。

 創25:1-6〈ケトラによるアブラハムの子孫〉
 ハガルの他にもアブラハムは側女を持った。名をケトラという。2人の間にはジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバク、シュアが生まれた。
 このうちヨクシャンにはシェバとデダンが生まれた。このデダンの子孫がアシュル人、レトシム人、レウミム人である。
 ヨクシャンの兄弟ミディアンの子孫はエファ、エフェル、ハノク、アビダ、エルダア。
 以上は皆、アブラハムとケトラの間に誕生した血筋である。
 アブラハムは自分が生きている間にハガルとケトラの子らに贈り物を与えて、東のケデム地方へ移住させた。全財産を譲った息子イサクから遠ざけるためであった。

 創25:7-11〈アブラハムの死と埋葬〉
 遂にアブラハムは175年の生涯を閉じた。それは非常に満ち足りた生涯であったという。
 かれの遺骸は息子イサクとイシュマエルによって、マクペラの洞穴に埋葬された。そこは生前のアブラハムが亡妻サラの墓所として選び、購入した場所である。そこにアブラハムは妻と共に、2人の息子の手により埋葬されて眠った。
 アブラハム亡きあと、神はイサクを祝福した。イサクはベエル・ラハイ・ロイの近郊に住んだ。

 創25:12-18〈イシュマエルの子孫〉
 アブラハムとハガルの子イシュマエルは、かつてその父が神によって告げられていた通り、12人の子供を持った。長男はネバヨト、続けてアドベエル、ミブサム、ミシュマ、ドマ、マサ、ハダド、テマ、エトル、ナフィシュ、ケデマである。12人の名前は村落や集落地に基づいて付けられた。かれらはそれぞれの部族の首長となった。 
 イシュマエルは137歳で逝去した。
 かれの子孫は「エジプトに近いシュルに接したハビラからアシュル地方に向かう道筋に沿って宿営し、互いに敵対しつつ生活していた。」(創25:18)

 第25章は後半がイサクの子エサウとヤコブにまつわる挿話になりますので、まとまりをよくするため敢えて本日のように、2回に分載させていただくことにいたしました。ご了承ください。
 アブラハムにはもう一人の息女がいた。出自は不明ながらもケトラというその名がアラビア半島の香料に由来することからかの地方の出身の者であったか、と推察されます。本ブログにて側女という身分にしたのは、創25:6に基づいたものであります。
 ハガルとケトラの間に生まれた子供たちをアブラハムが遠ざけた理由はただ一つ、息子イサクのみが自分に与えられた祝福を継ぐ者であるからでした。神の祝福と寵愛を受ける民、後のイスラエル/ユダがイサクの血を伝えてゆく民であることを考えれば、これも当然の配慮ということができましょう。即ち――敵となり得る者は例外なく遠ざけよ。



 さて、マクペラですね。20年程前にその場所で起こった事件について、今日はエッセイ部分を充ててお話ししようと思います。とは申しても、わたくしもこのあたりには詳しくないので概略のみ申しあげることになりますが。
 ここが現在はパレスティナ自治区内の町ヘブロンにある古代宗教史跡であることは先日述べましたが、1994年2月25日、マクペラの洞穴にて痛ましい事件が起こりました。
 その日はちょうどプリム祭でありました(われらは既に「エステル記」でこの祭の起源を読んでおりますね)。また、ムスリムの祭ラマダーンも奇しくも同じ日に催されておりました。イスラエル国防軍の予備役兵ゴールドシュテインがその日の朝、マクペラの洞穴へ礼拝に集まっていたムスリムのパレスティナ人に向けて銃を乱射した。それによる死傷者は合計154人に上りました。ゴールドシュテインも事件後に射殺されたといいます。
 この襲撃事件は単独犯なのか集団によるものなのか、当初は報道も混乱を来しましたが、調査の結果ゴールドシュテインの単独犯による、というところで落ち着いたようであります。殺害対象が個人であるか否かを別にして、わたくしにはあたかもケネディ暗殺事件を思わせる内容であることに最初は興味を持ったのですが、よもや歳月が巡り聖書のブログを書いていて、この事件と再会することになろうとは思いもよらぬことでありました。
 話が一瞬脇道に逸れましたが、これが〈マクペラの洞穴虐殺事件〉であります。
 聖書、就中旧約聖書を読むことは、往々にして現代の中東が抱える問題や、この複雑な国々の歴史について知ることと重なります。この読書を通して、安定することなど永遠にないのではないか、と思われるこの地域の様々に関心を持っていただければ幸いです。◆

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