第1455日目 〈創世記第38章:〈ユダとタマル〉withユダの系図はやっぱり凄いや。〉 [創世記]

 創世記第38章です。

 創38:1-30〈ユダとタマル〉
 ヨセフがエジプトへ連れてゆかれている頃、ユダは一人、兄弟から離れて友であるアドラム人ヒラの家の近くに天幕を張って暮らした。その地でユダはカナン人シュアの娘を見初めて、結婚した。エル、オナン、シェラという3人の息子が、夫婦の間に生まれた。
 ユダは長男エルのためにタマルという嫁を迎えた。が、エルは主の意に反したので、主により殺された。ユダは次男オナンに、未亡人タマルのなかに入って兄のため子孫を残すよういった。が、オナンは子種を地面に流してその責を果たさなかったので、同じく意に反したとして主により殺された。
 ユダは、三男シェラが成人するまで実家へ帰っているようタマルにいった。息子が成人したらタマルを呼ぶ、という約束で。彼女はそうした。
 年月が流れ、ユダの妻バト・シュアが死んだ。喪に服したあと、かれはアドラム人ヒラと一緒に、羊毛を刈るためティムナへ向かった。それを知った者が、実家にいるままのタマルへ教えた。彼女は、義父が約束を守る気持ちがないのを悟ると、娼婦のような格好をしてティムナへ行く途中にあるエナイムの町の入り口で、ユダが来るのを待った。そうしてかれは来た。
 ユダは相手がタマルと知らず、娼婦と思いこみ、一夜の値段を交渉した。価は子山羊一匹となった。タマルは、それが届けられるまでの間、ユダが身に付けている紐の付いた印象と杖を求めた。ユダは諾い、彼女のなかへ入って出した。タマルは孕んだ。そうして姿を消した。約束の子山羊を届ける役をアドラム人の友に任せたが、ヒラはそれゆえにタマルを探し出せなかった。
 タマルの妊娠を知ったユダは激怒し、ここへ引きずり出して焼き殺してしまえ、と命じた。が、連れてこられたタマルは潔白を主張した。なぜならば、と彼女はいった。お腹の子供の父親はこの品の持ち主だからです。タマルはそういって、かつてユダの持ち物であった紐の付いた印象と杖を見せた。それが自分のものとわかったユダは、タマルの正しいことを認めた。わたしがシェラを彼女に与えなかったのがいけなかったのだ。
 ――タマルはペルツ(「出し抜き」)とゼラ(「真っ赤な」)という双子の男子を産んだ。

 ユダの嫁バト・シュアですが、「バト」とは女性に冠されてきた語のような記憶がある。ダビデ王のバト・シェバがいちばん有名かもしれない。わたくしの手許にはヘブライ語辞典の類はありませんし、聖書に関する研究書や解説書類を書架に揃えているわけでもありません。ゆえにこれまでの印象や記憶で申すのですが、「バト」は娘の意味であるのでしょうか。たとえば「菅原孝標女」みたいな? 趣味で読んでいるような聖書読書のためにヘブライ語辞典や大部な解説書や注釈書を購うつもりにもなれない身としては、どうにもこんなときに具合の悪い思いをするのですよね……。
 宜しければ〈ユダとタマル〉については代上2:3-5を併読いただけると、一目で系図がわかってよいかもしれません。



 この機会にユダの系図を簡単に記して、「列王記」や「歴代誌」の時代までの俯瞰が出来るようにしたいと思います。こんな風になります、――
 ユダ - ペルツ(母タマル) - ヘツロン - ラム - アミナダブ - ナフション - サルマ - ボアズ - オベド(母ルツ) - エッサイ - ダビデ(七男) - ヘブロン生まれの三男アブサロム、エルサレム生まれの四男ソロモン他 - 北王国イスラエル初代王ヤロブアム1世、南王国ユダ初代王レハブアム、〔以下略〕。
 前後の書物にリンクする固有名詞や事象が出て来ると、がぜん読書は面白くなる。人名や地名で後までつながってゆくケースはその最たるものだと思います。ベテルの由来や位置付けが「創世記」でわかると、「列王記・上」での王国分裂後にある〈ベテルへの呪い〉(王上13)という挿話がよくわかるのはその一例といえます。◆

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