第1623日目 〈マカバイ記一第9章:〈バキデス、アルキモスとの戦い、ユダの死〉、〈平和の回復〉他withリュックサックが欲しくてならぬ。〉 [マカバイ記・一]

 マカバイ記一第9章です。

 マカ一9:1-22〈バキデス、アルキモスとの戦い、ユダの死〉
 ニカノル戦死の報を承けたデメトリオス1世は、再びバデキスを対ユダヤ戦の将に任じて、右翼精鋭部隊を与えて出発させた。バキデスらは行き手を遮る敵を排除して進み、前161年(第152年)エルサレムに向けて陣を敷いた。更にそこから出て、20,000の軍勢と2,000の騎兵を伴いベレトへ入った。
 ユダ・マカバイの軍勢は敵のあまりにも巨大なるを見て、恐れおののき、怯み、震えあがり、戦うを放棄して去った。残ったのはわずかに800。ユダ・マカバイには新たに兵を掻き集める時間の余裕もなく、ひどく狼狽した。少数の兵であっても勝利の可能性はある。かれは残った兵にそう説いたが、兵は皆一様に懐疑的であった。かれらはむしろユダ・マカバイに戦いを思い留まらせようとさえした。が、ユダ・マカバイにそれを聞き入れるつもはなく、「死ぬべき時が来たら、潔く死のうではないか。我々の栄光に汚点を残すことがあってはならない」(マカ一9:10)と言うばかりであった。
 斯くしてユダ・マカバイ最後の戦いが始まった。バキデス率いるシリア軍は強かった。バキデスは右翼精鋭部隊と共にあり、密集した部隊がその両側から接近してバキデスを守り、進軍のラッパを吹き鳴らした。
 ユダ・マカバイは敵将バキデスの所在を知り、攻撃をそこに集中させた。但し、右翼の陣営を破ることが出来たとはいえそれを壊滅させるには至らず、危機を知った左翼からの攻撃に遭い、進撃を阻まれた。戦闘は熾烈を極め、シリア軍・ユダヤ軍いずれにも相当の死傷者が出た。そうして戦いはユダ・マカバイの戦死という事態を伴って終結した。
 ⎯⎯ヨナタンとシモンは兄弟ユダ・マカバイの遺体をモデインにある先祖の墓に葬った。ユダ・マカバイの死を全イスラエルが哀しんだ。イスラエルを救う勇士は逝ってしまった。「ユダの行ったさまざまの業績、彼の戦い、その大胆さ、その偉大さは、書き尽くすことができない。あまりにも多すぎるのである。」(マカ一9:22)

 マカ一9:23-31〈ヨナタンが指導者となる〉
 ユダ・マカバイ亡きあとのイスラエルは、律法に従わない者たちがたくさん現れて、跋扈した。バキデスはなかでも不敬虔な者たちを選び出し、イスラエルの支配者に仕立てた。調子に乗った連衆はユダ・マカバイと縁ある者を探し出してはバキデスに差し出して、バキデスはその者たちを処刑した。
 「大きな苦しみがイスラエルに起こった。それは予言者が彼らに現れなくなって以来、起こったことのないような苦しみであった。」(マカ一9:27)
 事態を憂いたユダ・マカバイの友人たちが集まり、かれの兄弟ヨナタンの許に出掛けて、言った。どうか亡きユダ・マカバイに代わって民を導き、戦いの指揮を執ってください。⎯⎯斯くしてヨナタンは指導者として、指揮官として、兄弟ユダに代わって立ったのである。

 マカ一9:32-53〈バキデスとの再度の戦闘〉
 バキデスは、ヨナタンが新しくユダヤを率いる者となったことを知ると、ヨナタン殺害を企てた。が、この計画はヨナタンたちの耳に入り、為にかれらはテコアの荒れ野にまで退き、アスファルの貯水池に陣を敷いた。
 メデバ出身のヤンブリの者たちによって兄弟ヨハネが殺された。シリア軍との戦いが始まるに際して自分たちの携行品を、友人であるナバタイ人に預かってもらおうとして、その役にヨハネが任じられて出掛けた途次でのことであった。その報復にヨナタンは兵を選んで発ち、ヤンブリの者たちを全滅させると、戻ってきてヨルダンの沼地に陣を構え直した。
 バキデスはヨルダン川の東岸まで出陣した。ユダヤの安息日のことである。ヨナタンたちも同じ東岸へ出撃した。やがて戦闘が始まり、両軍は激しく衝突した。ヨナタンは自らの手でバキデスを討とうとしたが、バキデスはヨナタンを避けて後方へ退いた。ユダヤ軍はヨルダン川の対岸に泳いで渡り陣を立て直そうとしたが、バキデスはこれを追わせなかった。
 そのシリア軍はエルサレムへ入り、町とその周辺の砦の防備を強化した。各所に部隊が配備され、食糧も蓄えられた。また、ユダヤの指導者たちの息子を捕らえ、要塞化されたエルサレムに監禁した。

 マカ一9:54-57〈アルキモスの死〉
 前160年(第153年)、聖所の中庭にある仕切り壁の撤去を命じたアルキモスは、その作業中発作に見舞われて死んだ。バキデスはアルキモスの死を見て、王のところへ戻った。
 以後2年、ユダヤの地は平和だった。

 マカ一9:58-73〈平和の回復〉
 バキデス不在の間、律法に従わぬ不敬虔な者どもが集まり、こんなことを話し合った。見ろよ、ヨナタンとその部下たちはすっかり安心して平穏に暮らしている。バキデスを呼び戻そうではないか、かれならヨナタンたちを一晩のうちに一網打尽としてしまうに違いない。そうしてかれらはバキデスのところへ行き、計画を練り、細部を詰めた。
 バキデスは大軍を率いて出発した。かれはユダヤ中の同盟軍へ秘密裡に書簡を送り、ヨナタン率いるユダヤ軍掃討に協力するよう要請した。が、計画は漏洩し、ヨナタンはバキデスの計画に同調したうちで土地の者50人を処刑した。
 シリア軍とユダヤ軍はベトバシで相見えた。ヨナタンとシモンは別に行動してシリア軍に打撃を与えた。バキデスの策略も戦術もすべてが水泡に帰した。かれは自分を唆して遠路ここまで連れ出した律法に不敬虔な者たちをことごとく斬殺し、自分の国へと引き上げることを決めた。
 それを知ったヨナタンは使者を派遣してバキデスに和平の締結と捕虜の返還を交渉させた。バキデスにとってもこれは悪くない提案だったので、さっそく同意して和平の締結と捕虜の返還を約束した。そうしてシリア軍の将バキデスは自分の国に帰り、もはやユダヤの領土へ侵攻することはなかった。
 「イスラエルでは剣はさやに納まり、ヨナタンはミクマスに住んだ。こうして彼による民の統治が始まり、不敬虔な者たちはイスラエルから一掃された。」(マカ一9:73)

 バキデスは対ユダヤ戦の不毛・無意味なることを悟っていたのかもしれません。「マカバイ記一」の記述を読んでいても、疲弊した消耗戦のようにしか読むことができない。馬鹿馬鹿しくなってしまったのでしょう、かれはユダヤと和を結び、ユーフラテス川の向こうにある自分の国へ帰還します。その道すがら、かれの胸中に飛来していたものはなんだったのでしょうね。
 本章を読んでいて頭を悩まされたのは、やはり地理にまつわる部分でした。マカ一9:33,42,43-48に於けるヨナタン側の地理が今一つよく理解できなかったのです。
 マカ一9にて「荒れ野」と称されるテコアは死海の西に広がる地域、かつて預言者アモスの出身地としてわれらが知っていた場所であります。マカ一9:33に出る「アスファルの貯水池」はテコアの荒れ野のどの辺りにあったのでしょう。「ヨルダンの沼地」(9:)はヨルダン川東岸を指すと考えて良いでしょうか? わたくしは出掛けたことがないのですが、今日でもヨルダン川東岸には沼地となっている場所があるのでしょうか。
 ヨナタンの台詞、「背後はヨルダンの流れで、しかも我々は沼地と林に囲まれて」(9:45)云々とあるところから、ヨナタンがヤンブリを全滅させて陣へ戻るまでに、ユダヤ軍はテコアの荒れ野にあると思しきアスファルの貯水池の傍らからヨルダン川東岸へ陣を動かして、そこで待機していたことになります。どのようなルートを辿って移動したのだろう? 死海の南を回って東岸部を北上、ヨルダン渡河をすることなくバキデス率いるシリア軍の前に出た、とはさすがに考えにくい。それこそ時間と労力の無駄でありましょう。無意味な南下ルートを辿っている間、守備の薄くなった、殆ど無防備に等しいユダヤの地をシリア軍が攻めたら、ユダヤ軍は為す術がありませんしね。
 死海西岸部を北上してからヨルダン川を渡り、バキデスのシリア軍と向かい合った、と考えるのがいちばん自然であります。戦いが始まる前、ユダヤ軍の正面にはシリア軍がいて、背後にはヨルダン川がある。かれらが陣を置いているのは沼地と林に囲まれた場所。……わたくしが最初の読書で頭を悩ませたのは、ユダヤ軍が如何なるルートでテコアの荒れ野からそこへ移動したのか、ということでありました。
 今回のことに絡めて申し上げれば、最初の読書は基本的に外で行われることが多いため、持ち歩ける資料は殆どありません。iPhoneからインターネットで調べるにしても、限界があります。電子書籍で信頼できる辞典や地図が購入・閲覧できるのであれば別ですが、調べた範囲ではそのようなものはありませんでした。殊地理については最初の読書ではわかりづらく、地図と辞典を並読して組み立てるより他なく、モレスキンに書いた、この地理についての疑問はいま読むと赤面ものであります。
 本稿を清書するにあたり、改めて架蔵する資料類をあたってみたところ、以上の不明点が概ね判明したので、余計な恥をかかずに済んで安堵しているところであります。
 それにしても、「マカバイ記一」の著者はユダヤの地理に通じた人物だったのかもしれませんが、もう少し詳しく書いてくれてもよかったんじゃないのかな、と愚痴の一つ二つも言いたくなります。



 リュックサックが欲しい。MacBookの購入が具体化したいま程、新しいリュックサックを真面目に物色しているときはありません。ただでさえ荷物が多いのに、その上ノートPCが加わるとなれば、軽くて容量の多いものを探すことに真剣になるのは仕方のないところ。
 AppleStoreに気になるリュックサックはあるけれど(カートには既に入っている)、量販店等で同じものにお目にかかったことがない。つまり、実際に背負ってみたり普段持ち歩く荷物を入れてみたり、という<お試し>ができないので、本当にこれで良いのかなぁ、と迷ってしまうわけです。それまではこれ以外にない、と思うていた商品でも、購入が現実味を帯びてくると情けないぐらいに意思/決断がブレてしまうのですよね。
 ノート2冊を入れたモレスキンのフォルダー、ペンケース、バッテリ、本数冊(聖書と概説書、レヴュー用の本、村上春樹の短編集+α)、iPod touch、折りたたみ傘、財布。これらを収められる、軽くて容量の大きいリュックサックはなかなか店頭でも見附からないのですよね。
 今月は悩み事が多い。MacBook AirかMacBook Proか。どのリュックサックにするか。どのメーカーの無線LANルーターにするか。iPod classicも一緒に買ってしまおうか。……物欲の季節というわけではありませんが、殆ど同時に必要になるものばかりだから致し方ない。
 うぅん、んんん、悩みは尽きないよ。◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。