第1633日目 〈マカバイ記一第16章:〈ヨハネ、ケンデバイオスを破る〉、〈シモンの最期〉、〈ヨハネ、プトレマイオスの陰謀を逃れる〉&「マカバイ記一」を終わるにあたってwithMacBookAirで原稿を書く際にぴったりなBGMは?〉 [マカバイ記・一]

 マカバイ記一第16章です。

 マカ一16:1-10〈ヨハネ、ケンデバイオスを破る〉
 ゲゼルの町にいたヨハネはエルサレムへ上り、父シモンに敵将ケンデバイオスの所業の数々を報告した。するとシモンは息子のうちも年長の者即ちヨハネとユダを呼び、後事を託した。「今やわたしは年老いてしまった。しかしお前たちは神の慈しみを受け、成長して一人前になった、お前たちは、わたしとわたしの兄弟に代わって、わが国民のために出て行って戦うのだ。天の助けがお前たちにあるように。」(マカ一16:3)
 父により選ばれた精鋭たちを率いて、ヨハネとユダは出発した。モデインで夜を明かし、明け方に渓流を挟んだ場所で、ケンデバイオスの軍勢と対峙した。ユダヤ軍は初めのうちこそ渓流を渡ることに躊躇いがあったけれどヨハネが率先して渡河するのを見て、ようやく意を決して渓流を渡った。そうして渡った岸で陣営を整えたのである。
 ラッパが吹き鳴らされた。ヨハネとユダ、ユダヤ軍は数の上では自分たちより優る敵に向かって勇猛に戦った。ケンデバイオスの軍勢は敗走し、自分たちの砦へ逃げ込んだ。が、そこに火が放たれて敵軍は滅びた。ヨハネたちはなににも邪魔立てされることなく、無事にエルサレムへと帰還した。

 マカ一16:11-17〈シモンの最期〉
 平和が訪れ、掻き乱された。ユダヤ人でシモンの娘婿プトレマイオスが義父を殺して、自分が代わってユダヤの支配者となろうと思い上がったのである。
 プトレマイオスは前136年(第177年、シモンの年第7年)第11の月(サバトの月)、エリコの町へ視察に下って行く途中のシモンとかれの息子マタティアとユダを砦の町ドクへ迎え入れて歓待し、かれらが酔うたところを襲撃して、随伴するわずかの兵共々殺害した。
 「こうして、プトレマイオスは恐るべき裏切り行為を働き、善に報いるを悪をもってしたのだった。」(マカ一16:17)

 マカ一16:18-24〈ヨハネ、プトレマイオスの陰謀を逃れる〉
 このプトレマイオスはシリア王アンティオコス7世に事の次第を記した書簡を送り、支援を願い出た。ユダヤの国、その町々の統治も自分に任せてほしい、とも。一方で密使をゲゼルの町へ、エルサレムへ送り込み、ハスモン朝の内からの切り崩しを図った。
 が、名もなき忠者のお陰でヨハネは暗殺を免れた。かれは自分を殺す意図を持ってゲゼルへ潜入した輩を探して見附け出し、捕らえて殺した。
 「ヨハネの行った他の事績、彼の戦い、彼の発揮した数々の武勇、城壁の建設、彼の業績、これらのことは、ヨハネが父を継いで以来の彼の大祭司在職中の年代記に記されている。」(マカ一16:23-24)

 ここに「マカバイ記一」は終わる。が、ではない。次の「マカバイ記二」は「マカバイ記一」のその後が語られるわけではない。ユダヤの独立を賭けて、マカバイ家を中心に行われてきたセレコウス朝シリアへの抵抗運動、通称<マカバイ戦争>──これは或る意味で独立戦争と言うてよかったろう──の続きが、聖書のなかで語られることはない。諸々の歴史書等で語られることを拾い集めて再構成するのみだ。「マカバイ記二」はどちらかというと「マカバイ記一」の補遺として扱われるべき一書である。  ゆえに、結局このあと<裏切り者>プトレマイオスがどうなったのか、旧約聖書続編のなかで語れることはない。ヨハネがヨハネス・ヒルカノス1世として独立国家ユダヤの王となり、ハスモン朝が成立したことによって擱筆されたのであろうが、なんともすっきりしない幕切れではある。読者をこんなに欲求不満にさせる書物が聖書のなかにあろうとはね! 呵々。  お気附きかもしれませんが、「マカバイ記一」は神についての言及がありませんでした。「神」、「主」という語が出てこなかった、と言うた方が正しいかもしれません。それに代わる表現として、「天の助け」などがある。唯一本章に於いて「神の慈しみを受けた子」とシモンが息子2人に向かって言いますが、これとて信仰の対象としての神なる主を指すのではなく、むしろ慣用表現と受け止めた方が宜しいでしょう。  マカバイ戦争の時代もしくは「マカバイ記一」が執筆された当時にあっても、<神>なる言葉は滅多なことでは使われない、みだりに口にしてはならない大切な語だったのでしょう。出20:7「あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。みだりにその名を唱える者を主は罰せずにはおかれない」が万人の心に浸透していたのかもしれない。この時代は律法が旧約聖書の時代よりもずっと尊ばれていた頃でしたから。
 計画したわけではないけれど、本書前夜から最終章まで丸1ヶ月を費やすことになってしまいました。2週間強で完了するはずだったのですけれど、おかしいですね、どこで予定が狂ってしまったのでしょう。オッペケ節でも歌っちゃいたい気分です。  次の「マカバイ記二」ではこんな風にならないように気を付けますが、もう夏になるんですよねぇ……嫌な季節に気力を振り絞らねばならぬとは……。
 ちなみに本章のノートを書いたのは5月25日、1週間前のことです。この日、AKB48のメンバー2人が岩手県の握手会場にてノコギリ男に襲撃され、怪我を負いました。  メンバーはもう既に退院し、検査通院をしているようですが、彼女たちを圧巻から守った20代の男性スタッフはどうなったのだろう。退院はしているだろうけれど、術後の経過を知りたい。  ともあれ、殺傷事件に至らなかったのだけが幸い。これで握手会などイヴェントがなくなったり縮小されたりしないことを望みます。  本稿はiMacで作成していますが、ふと、MacBookAirで原稿を書く際のBGMはなにがいちばん相応しいかなぁ、と考えました。現時点で聴いているのは、プラターズのベスト盤から「Sentimental Journey」。その前はブルース・スプリングスティーン《High Hopes》でした。  クラシック? ジャズ? それ以外? もちろん書いている原稿の性質にもよるのだろうけれど、わたくしがいちばん相応しいと考えるのは、ヤエル・ナイムのファーストアルバムの一曲「New Soul」なんですよね。或る意味で万人納得のチョイスだと自負しております。──このカラクリのわかる人、いますよね?◆


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