第1643日目 〈マカバイ記二第6章:〈異教礼拝の強要〉、〈神は御自分の民を見捨てられない〉&〈エレアザルの殉教〉with読み終えたのに感想が書けないディレムマ。〉 [マカバイ記・二]

 マカバイ記二第6章(アンティオコス・エピファネスのもとでの迫害)です。

 マカ二6:1-11〈異教礼拝の強要〉
 神殿を汚してそれ程経っていない頃、アンティオコス4世はアテネ生まれの長老をエルサレムへ派遣した。そうしてユダヤ人社会の徹底的なギリシア化を推し進めた。もはやユダヤ人は父祖伝来の律法から引き離され、律法に基づいた生き方を禁じられたのだった。
 エルサレムの神殿は<ゼウス・オリンポスの宮>と呼ばれ、ゲリジム山の神殿は<ゼウス・クセニオスの宮>と呼ばれるようになった。律法で定められた献げ物が、律法で定められた方法で、神殿にささげられることはなくなった。律法で禁じられている物が、代わりに祭壇へ供えられるようになった。加えて神殿では娼婦と異邦人の乱痴気騒ぎ、或いは性行が日常的に行われた。
 「今や安息日を守ることも、父祖伝来の祝祭を執り行うこともできず、自分がユダヤ人だということさえ、公然と口にはできなくなった。」(マカ二6:6)
 王の誕生日には、いけにえの内臓を食べることが強制された。ディオニュソスの祭りの行列に参加することも強制された。これは勅令としてユダヤ人へ伝えられ、従わぬ者は殺された。息子に割礼を施した母親は城壁の上から突き落とされて命を奪われ、密かに安息日を祝っていた人々は密告・逮捕された後に焼き殺された。

 マカ二6:12-17〈神は御自分の民を見捨てられない〉
 「さて、わたしはこの書を読む者がこのような災難に気落ちせず、これらの罰は我々民族を全滅させるためのものではなく、むしろ教訓のためであると考えるよう勧めたい。
 我々の場合、主を汚す者を主はいつまでも放置せず、直ちに罰を下される。これは大いなる恵みの印である。他の国民の場合、主は、彼らの罪の芽が伸びるだけ伸びるのを、じっと待っておられるが、我々に対して直ちに罰を下されるのは、芽が伸びきらないうちに摘んでしまうためである。
 主はわたしたちへの憐れみを決して忘れられない。主は、災いをもって教えることはあっても、御自分の民を見捨てられることはないのだ。」(マカ二6:12-16)

 マカ二6:18-31〈エレアザルの殉教〉
 律法学者エレアザルも、口をこじ開けられて豚肉を食べさせられようとした。が、エレアザルはこれを拒み、不浄な食べ物を口にして生き永らえるよりは、自分への善き評判を重んじて死ぬことを選んだ。「これこそ、生命への愛着があるとはいえ、口にしてはならないものは断固として退けねばならない人々の取るべき態度である。」(マカ二6:20)
 食すことを禁じられたいけにえの内臓を食べさせる係の者は、偶然にもエレアザルとは旧知の間柄であった。かれはエレアザルに、いけにえの内臓を食べる振りをして、自分が用意、持参した浄められた肉を食べるよう奨めた。そうすればエレアザルは死を免れ、他者よりずっと優遇されるからである。
 しかし、エレアザルはこれを拒んだ。高齢の者が残り少ない命を惜しんで異教の風習に転向したことを揶揄されたり、自分の採った偽りの行動ゆえに他の者を迷わせてはならないという信念ゆえである。ならば、聖なる律法に従い、毅然とした態度で死に臨もう。生きていても死んでいても、全能者の御手からは逃れられないのだから。
 そうしてエレアザルは死に向かった。人々はかれへの好意を憎しみに変えた。与えられた生き延びるチャンスを自ら棄てるとは何事か、きっとエレアザルは気が触れたに違いない。
 この殉教者は死を前にして言った、「聖なる知識を持っておられる主は、すべてのことを見通しておられる。わたしは死を逃れることもできたが、鞭打たれ、耐え難い苦痛を肉体で味わっている。しかし、心では、主を畏れ、むしろそれを喜んで耐えているのだ」(マカ二6:30)と。
 斯くしてエレアザルは世を去った。かれは自ら望んだように、「その死はただ単に若者ばかりか、少なからぬ同胞の心に高潔の模範、勇気の記念として残されたのである。」(マカ二6:31)

 律法を尊ぶ者は往々にして過激であったり、頑なな人であります。これまでわれらはそのような人を何人も見てきました。預言者と呼ばれた人たちの名前が、すぐに思い浮かびます。そうして新たにここにまた一人、殉教者エレアザルが名を連ねました。
 主義主張も過ぎれば周囲を脅かす。エレアザルのようであればまだ誉れとされましょう。が、これが狂信的となったり、原理主義に陥ったりすると厄介極まりない存在になり得る。われらはこれまでの歴史に於いて、そうした人々が何人もいたことを知っているはずであります。



 昨夜村上春樹『夜のくもざる』(新潮文庫)を読了しました。本来ならここで感想を、という話になるのですが、まだ書けないでいます。まずは「マカバイ記二」を終わらせてしまいたい。読書感想文はそれからでも遅くない。そう思うてのこと……といえば聞こえはいいけれど、時間を上手く調整できなかったり、荷物が重くなることに憂慮してのことでしかありません。
 とは言え、遅かれ早かれ書かねばならぬ文章であることは間違いない。併せてこの前に読み終えている『TVピープル』の感想文も未だ手付かずですし。『ねじまき鳥クロニクル』? 『海辺のカフカ』? ああ、それらもまだでしたね。えへ。
 ──いずれにせよ、これらは「マカバイ記二」が終わったあとに筆を執り、それ程日を経ずして皆様にお披露目できるはずであります。その日に備えて、簡単なメモぐらいは整理しておきましょうか。
 ……あ、いやんなっちゃう、雨が降ってきたよ。これから帰る、っていうのにさ。だから梅雨って嫌いさ。ぷん。◆

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