第2320日目 〈ペトロの手紙・二第3章:〈主の来臨の約束〉withプロコの《ロメ・ジュリ》を聴きながら、「ペト二」読了の挨拶。〉 [ペトロの手紙・二]

 ペトロの手紙・二第3章です。

 ペト二3:1-18〈主の来臨の約束〉
 わたしはあなた方宛の2度目の手紙を書いています。なぜならば、聖なる預言者たちがかつて民へ語った言葉と、使徒たちが伝えた救い主キリストの掟を思い出してほしいからです。
 待てど暮らせど予告されている主の再臨が実現しないことについて、肉の欲望の赴くままに生活する口さがない者らが嘲っています。が、かれらは認めようとしないだけなのです。天は太古の頃より存在したことを。地は水を元として造られましたが当時の世界は洪水で滅びたこと、現在あるこの世界に於いて天と地は、御言葉によって終末の日に不道徳な者らが裁かれるときまで維持されるのです。
 主の許では1日は1,000日に等しく、主の許では1,000年は1日に等しい。再臨について、「主は約束の実現を遅らせておられるのではありません。そうではなく、一人も滅びないで皆が悔い改めるようにと、あなたがたのために忍耐しておられるのです。」(ペト二3:9)
 すべてのものは滅び去る、と決められています。終末の日、天は焼け崩れ、自然界の諸要素は燃え尽きて熔け去ることでしょう。なのであなた方は聖なる者として信心深い生活をしなくてはなりません。われらは義の宿る新しい天と新しい地を神から約束されていて、それを待ち望んでいるのです。
 兄弟たちよ。なんの瑕疵もなく、平和に過ごしていると神に認めてもらえるよう励みなさい。われらが主キリストの忍耐強さと救いを考えなさい。
 パウロが諸方へ書き送った手紙のなかにはちょっと難しくて、これはどういうことなのだろう、と小首を傾げてしまうところが散見されます。心の定まらない人はそうした箇所を聖書の他の部分同様に曲解し、自らの滅びを招いてしまっている。
 「愛する人たち、あなたがたはこのことをあらかじめ知っているのですから、不道徳な者たちに唆されて、堅固な足場を失わないように注意しなさい。」(ペト二3:17)
 主キリストの恵みと知識によって成長してください。
 キリストに栄光あれかし。アーメン。

 再臨は遅れているけれど必ずそれは実現する。だからあなた方は信徒として為すべきを為し、努めるべきを努め、心身を清らかにしてその日を待っていなさい。──信仰の維持と待ち望む励ましの呼びかけを以て本書簡は擱筆されました。
 〈前夜〉で書き洩らしたのですが、〈パウロ書簡〉に触れた箇所。本書簡の著者の手許にパウロが書いた手紙が集まっていたのは事実の様子。が、それは新約聖書に収まる〈パウロ書簡〉すべてであったのか、それともその一部か、もしくは〈パウロ書簡〉に収まる手紙と散逸した手紙双方を著者は入手していたのだろうか。定かではありません。
 加えて、〈パウロ書簡〉が旧約聖書のように神に啓示を受けて書かれたものとして扱われているフシがあります。実はこの〈パウロ書簡〉の扱い方が、本書簡の執筆年代を、ペトロ殉教後の1世紀後半から2世紀初頭と考える所以なのであります。ペトロ存命中にパウロの手紙が聖書と同等に扱われるだろうか? そんな疑問の発生から、本書簡がペトロ殉教した後に所謂ペトロ派の誰彼がその名を借りて、キリスト再臨の遅延と偽預言者が出現した際の警告を柱とする本書簡を認めたのだ、と考えられたのであります。
 ああ、わたくしが生きている間にタイムマシンが発明・実用化されたら、そうして運用の安全が確認されたらば、ナザレのイエスの生涯をつぶさに見、その復活の真なるか否か、そうして使徒たちの行く末を観察すると共に、新約聖書に収まる書物群の著者や執筆年代と場所を知りたいものであります。

 本日の旧約聖書はペト二3:5と創1:1及び9、ペト二3:6と創7:21-23。



 クラウディオ・アバド=ベルリン・フィルによるプロコフィエフのバレエ組曲《ロメオとジュリエット》を聴きながら本稿擱筆。このあとは同コンビによる最後のコンサート、メンデルスゾーン《真夏の夜の夢》とベルリオーズ《幻想交響曲》を聴きます。
 いやぁ、しかし。新約聖書の読書もここまで来ると、もはや一書が読了するごとに新たに湧いてくる感慨なんて殆どないんだよねぇ、というのが本音です。そのたびごとに胸を占める思いはあるのですが、いまはひたすら前進。
 が、それでも──
 読者諸兄よ、常と変わることなき支援と閲読をありがとうございます。姿も名も知らないあなた方のお陰で、わたくしは日々文章を書き、本ブログの更新を続けられている。こんなに幸せなことはない。読者なくしてなんの読み物でしょう?
 残り数ヶ月となりますが、これからもどうぞ宜しくお願い致します。◆

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