第2919日目 〈どうしてか、心がとてもクリアだ〉 [日々の思い・独り言]

 今日は2020年12月12日(土)、18時56分である。約40分前に退勤した。ビル1階のスターバックスでこれを書いている。1週間前、あの子から食事に誘って今度の土日なら……とお返事いただいたが、今日はその続きを書く。
 端的に述べれば、お断りされたのである。「来週だと思っていた予定が実は今週で。また今度でお願いします」と。平気を装って「咨、そうでしたか。残念です。また誘いますね」と返すのが精一杯だった。
 でも、どうしてだろう。食事を断られて落ちこんでいるはずなのに、心はとってもクリアだ。雑念のない心はこんなに澄んで、凪いだものなのか。
 まだ完全に駄目になったわけではない。まだ希望はある。そう信じる。
 「また今度誘ってください」という台詞にどこまで信憑性があるか、疑いだしたらキリがない。いまは、自分にとってムシのいいことだけを考えよう。本当に予定があるのを忘れていただけなのだ。来週予定と思っていたのが、実は今度の土日であった(つまり今日と明日でありますな)。ならば来週の土日は空いているということか。ムシのいいことだけを考えよう。
 そのとき誘いますね。この言葉が届いていたか、わからない。
 でも、まだ棺に葬られたわけではない。わたくしはまだ生きている。あの人のことを考えている。想いが失われることがない。苦しみも切なさも、いまの私に鎖を与えてはいない。
 心はこれまで経験したことがない程、クリアだ。
 避けられているわけでも嫌われているわけでもない。本人を前に本音をいうわけはない、とは重々承知。でも、わたくしはそこに希望をつなぐ。ムシのいいことだけを考えるのだ。
 唐突に、彼女がやったことの凄さを讃えてしまった。必然的に来し方を端的に語り、あなたへの想いを、その片端だけだが洩れ伝えてしまった。引いてくれて構わない。
 **さんは凄いよね、これまで誰にもできなかったことをしてしまったんだから。
 え、どういうことですか?
 (良いの本当にいって? と前置きした上で)ぼくのなかにずっといた婚約者の影を消し去ってしまったんだから。
 ハッとしたような顔をしてこちらを見あげたが、これ、実際はドン引きしたんだろう。
 が、影を消すことのできた唯一の女性であるのは事実だ。誰を好きになっても、付き合っても、けっして消えなかった影を消すなんて偉業を成し遂げる存在(23歳!)が現れるとは、正直思わなかった。
 ──ここで隣のブースの人が通りかからなかったら、どうなっていたかわからぬ。いちおうそれに、感謝をしておこう。
 ……11月休み申請の際、「25日 婚約者命日のため」と提出しているから知ってはいる。しかし、まさか自分がわたくしに愛情を寄せられており、亡き婚約者に匹敵する存在になっているなど、今日初めて知ったろう(良くも悪くも)。済まぬ。
 さて、どうしても今日のことだけはお伝えしておかなくては。今日、即ち彼女の予定がなかったら食事に行っていたであろう土曜日のことである。時間的にこの瞬間こそ、店に入って数分という頃合いである。
 会話、状況をiPhoneのメモアプリに残した。冒頭で述べたスタバにて。いまやこれ、<日記>である。なによりもこれが雄弁なることこの上ないので、そのまま引用(=コピペ)する。
———

 朝、挨拶いつも通りなれど関わりたくない様子露わ。こちらもそれを汲み、来るの察すると動く。それ2時間ぐらい続く。
 耳のこと、支障ないよう伝えた方が良いか確認すると、別にいい、と。こいつ、本当にこちらに興味も関心もないんだな、と実感。
 必然的な流れにより某に、2月メドで退職検討している旨伝える。まぁあちらさんは喜ぶんじゃないかな、と冗談混じりに言うと、ああ確かに、との返事。えそこまで嫌われてるの、と冗談混じりに訊くと、笑って濁される。
——

 日中は通常通りオペレーションをこなす。これまでと同じ行動、心中はともかく。
 但し、ガールズトークの恋愛、結婚、失恋の話、心に痛し。**、聞き過ごして寡黙に過ごす。
——

 業務終了後、2人とも唯の一言も口を利かず。不自然なれど、いまはこれでいい。**、年明け新人向け「よくある問合せ」を一心不乱に作成。もとより今日は**、先約ある日。されどいまでなくても良い仕事で残業するは、当方回避のためと考えるより他なし。了解、了解。
 これまでは「自分の仕事片附けてゆくので、先にあがってください」等の言葉あれど、今日はなし。わたくしがさっさとあがろうとしている光景を見ているためか。
 帰り際、「あまり根を詰めないでね、あなたが倒れると困る」と声掛け。**、こちらを向き、「いまわたし倒れたらたいへんですよね。来年のこととか」と。自覚できている。と同時に、お前仕事しろよ、という威嚇/牽制か。ここはもはや**無しでは動かず。**、自負から「わたし無しでも回りますかね?」と薄ら笑い。
 その後、割に唐突に、
 「わたし必要なのかな(いなくていいのかな)」と、ぽつり。
 「それ、僕の台詞ですよ。私、2月でいなくなりますからね」
 **、パッと顔をあげて一瞬なれど喜ぶ顔。それ見て、流石にショック。「そんなに嬉しそうな顔しないでよ。さすがに辛いわ」と。このときなにかしら呟きあれど、聞こえず。「あ、まだ決まったわけじゃないからね。そのぐらいにはいなくなってないとヤバいなって思って」
 それに対する反応無し。代わりに、「私、いつまでいるのかな」と呟く。
 「3末まで大丈夫ですよ」
 「そうですか?」
 「そうですよ」
 →そのあと、お疲れ様でした、お先に失礼します、というて出る。
 ※恋絡みの話出さず、この前帰り際に変なこといってごめんね、とか、また予定合わせて行ってください、とかいわず。成長したものじゃ。
———

 最後の部分は正直、もう記憶から消えかけているが、だいたいこんな流れであった。補聴器、考えようかな。
 いろいろとあった日だった。**を想う心に偽りなけれど、忌避の様子露わは流石に……。そこまでのことをしでかしたのか、と自分の言動を疑ってしまう。まぁ、明日も一緒だから、そのときの観察を基に今後を考えるか。
 斯様なことを倩書き連ねて、思い出される感情と光景に乱れることありと雖も、やはり心はクリアなのだ。刹那のざわめきはあってもすぐに凪いで、この一ヶ所に留まりどこへも行けない。頭上を仰げば太陽も月も北極星も見えるのに、ここからわたくしが希望の光指す方向へ向かうことはできない。
 でも、いつか動くことのできる日が来る、と信じている。ムシのいいことだけを考えよう。
 心はクリアだ。雑念のない心は、こんなにも澄み渡って静かなものなのか。19時59分擱筆。◆

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