第2983日目 〈もう浮気はやめにしたい。でも、二股は続けたい。〉 [日々の思い・独り言]

 やはり浮気はよくないね。悪しき行いだ。世人からどれだけ蔑まされて後ろ指さされたとしても、浮気している本人は反論できない。なにかいおうと口を開いた途端、世間様からの集中砲火を浴びて撃沈されるのがオチ。
 斯様なことを申しあげたのも、これを書いているわたくし自身が絶讃浮気中であるからだ。うぅん、浮気っていえばそれまでだけれど、その実態は二股どころか三つ股、四つ股……正直、自分でもどれだけの数と情を交わして同時進行させているのか、精しく把握できていないという有り様だ。えへ。
 渡部昇一を中心に日本史の本を耽読しているかと思えば、池上彰や佐藤優を軸に教養や勉強法についての本を集中的に漁読する。蓄財や不動産投資の本を付箋ペタペタ、メモを取ったりしながら読む一方で、就寝前の40分か50分ばかしは寝台の横の棚から山本弘や三上延、小山清や柴田宵曲の文庫を取り出してペラペラ目繰っていたりね。なんだか分裂症気味で、まるで集中できへんし、いつ1冊を読了できるのか見当つかへんわ。
 ……あの。まさか冒頭を読んでわたくしが女性相手に三つ股とかしてるなんてバカなこと、思い浮かべた人はいないよね? そも浮気というなら本命が別にいなきゃならんだろ。おらんわ、そんなの。付き合っているかどうかの自覚もない男性と「結婚しようかって話をしているんです」なんて一貫性がないというか突拍子がないというか進展の急激なる話を聞かされたあととなってはね。やれやれ。
 本命という単語が出たことで流れを元に戻せるな、と、実は内心安堵しているんだけれど、読書に於けるわたくしの本命って、じゃあいったい……ジャンルは? 作者は?
 ジャンル。ジャンルねぇ。読む本の冊数が多くなり、幅も広がって新たに好きになったジャンルもあれば、ちょっと気になって折に触れて新刊既刊を偵察するようになったジャンルもある。このジャンルとは一生付き合ってゆくことになるんだろうな、と思うているそれも(幾つか)ある。でも、本命となると、本命のジャンルとなると──考えすぎて頭がぐちゃぐちゃになってしまう。どれか1つを残して他は排斥するわけでもないのにね。
 みくらさんさんかよ、お前は真面目に考えすぎなのだ。あまりに無節操に本を読んできたがゆえお前の頭はごった煮状態で整理がついていないのだ。
 これが作者となると、答えは速い。スティーヴン・キング一択である。それ以外に誰がいるっていうんです?
 昨日から『不眠症』(文春文庫)を読んでいるんだけれど、なんだかねぇ、うれしくて涙が出てきちゃいますよ。王国への帰還、初読時の挫折、改めての愛慕の確認。この3点を以て『不眠症』はわたくしのなかで特別な位置を占めるようになる。
 帰還という点では、咨、廃都エルサレムへの途についた元捕囚民の心はこうしたものであったか、と想像したり。愛慕の確認という点では、咨わたくしはやはりこの人の紡ぐ物語に慰められ救われ教えられ、人生の杖としてきたのだなぁ、と実感したり。
 挫折については、省く。いつかお話しする機会あるやもしれぬから。そのときはあなたの耳のそばで甘ったるい声で、わたくしの抱えた闇をお話ししよう。その瞬間から覚悟を決めろ、お前はわたくしと一蓮托生、地獄の底まで道連れになってもらう。なぜなら、知ってしまったのだから。
 が、一方で現在は渡部『日本史から見た日本人・古代編』(祥伝社)を読み進めている最中でもある(まだ? とかいうな)。いましばらくはこれまでの反省を活かして、うまく二股掛けて事を致すにはどうしたらよいか、模索しながら読書を進めてゆくことになりそうである。
 そういえばかつて林家正蔵が、まだ「こぶ平」時代であったか、<音の書斎>系のムックだか雑誌の特集であったか、まったく別の機会であったか忘れたが、こんなことをいっていた。曰く、大好きなジャズを聴きながら大好きなミステリ小説を読むの、ジャズに意識が集中して読書がおろそかになればジャズの勝ち、ミステリに熱中してジャズがちょっとうるさいなあって思うようになったら読書の勝ち、と。まぁ、大体こんな内容であった。
 この伝でゆくなら、渡部昇一とスティーヴン・キングを並行して読んでいて、やがてどちらかがおろそかになって巻を開くのが間遠になってゆけば、残った方の勝ちということになる。え、共にぶじ読了できたら? それはどちらが勝ちとか負けとかではなく、単に実験成功ということですよ?◆

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