第3089日目 〈歯医者に行ったこと。〉 [日々の思い・独り言]

 予定していた原稿を書きあげることができなかったので、今日は兼好法師に倣って(?)「日ぐらし硯にむかひて心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつく」ろうと思います。いや、そも最初から予定通り書けるとは思うていなかったけれどね。



 今週のと或る日、歯医者へ行きました。上下の親不知が当たるあたりに口内炎のようなものができて、ご飯を食べるとき痛くてたまらなかったんですよ。噛むたびに、ぷっくら膨らんだ口内炎っぽいものが歯の間に、ガキッ、て挟まって、いやぁ、マジで痛い。
 遂に「明日、歯医者に行ってくる」と声高らかに宣言して勇躍出掛けたはいいものの、速攻で他院を紹介された。その週の終わりに横浜駅近くの病院へ紹介状携えて、溜め息つきつつ行ってきた。歯茎と歯をチクチク刺されながらスキマのチェック、そうして歯科部長の診察の結果、「上下の親不知が斜めに生えていて、手前の第7歯に当たっています。第7歯の当たっている箇所が虫歯になっています。けっこう深刻です。とりあえず親不知は抜きましょう。第7歯については抜くかどうか、次回話し合いましょう」と決まった。
 翌週、歯科衛生士さんの歯石取りと歯磨きトレーニングを受け、更にその翌週、抜歯担当の先生に診ていただき、いま自分が抱えている症例の説明と第7歯に関しては一緒に抜いてしまった方が将来の禍根を残さずに済むと思います、と提案されてあっさり諾い、……そうして先日、ついてこなくていいよ、というのにまるで耳を貸さず、帰りに買い物したいから、とくっついてきた妻を従え、きよぶたで歯を抜いてまいりました。
 麻酔がなかなか効かなかったと雖も所要時間約50分。左の親不知2本、隣接する第7歯2本、合計4本を抜いて……放心しつつどこにも寄り道しないで帰ってきました。これまでならヨドバシカメラのプラモデル・コーナーに必ず立ち寄っていたのですが。今日ばかりはその気力も起きなかった。もらってきた抜いた歯4本を仏壇に供え、お線香をあげてなにを拝んだかは内緒である。
 手術代、薬代込みで結構な額になったけれど、それはまぁ仕方ない。予想はしていましたからね。でも、これまでが2,000円以内で収まっていたので、うわぁ、と内心悲鳴はあげましたけれど。本当に3割負担なのか? これで10割全額負担だったら、今日だけで何万円が財布から消えることになっていたんだ、と、健康保険のありがたみを痛感したことでありますよ。
 が、嗚呼、なんたることか、読者諸兄よ、聞いてくれ。手術後にもらった注意事項の書類を点検していたら、なにやら不穏な文言が。担当医の説明も含めて曰く、──
 当面は熱いもの、冷たいもの、固いものは禁止、血のめぐりが良くなるようなアルコールNG、コーヒーも紅茶も温くなったら飲んでもOK、とは!? この世の愉しみがいっさい奪われた気分だ。もう、プンスカプンプンである。アルコールはまぁ、我慢できるから良しとして(反動が相当に怖いけれど。)、アイスクリームもラーメンも禁止とはなぁ。
 とはいえ、一時の惑いに身をまかせてこれからの人生の愉しみを棒に振るよりは、いまはじっと我慢、我慢の時と捉えるべきだろう。余計な摂取を控える時期が強制的に生じたことで、すこしは体重も脂肪も減るかもしれない。良いことではないか(前向きすぎ?)。
 でもねぇ、炊飯器で炊いた白飯もダメとあっては、──ボクハナニヲ食ベレバイイノデスカ? おかげで今朝わたくしの前に置かれたのはお粥さんである。シラスと鮭フレークと少々の塩をトッピングして、もそもそCSのニュースを観ながら食べましたよ。でも、久しぶりに食べたお粥さんは美味しかったなぁ。
 いずれにせよ、歯を抜くって生活習慣が根本から変わることでもあるんだな、とつくづく思いましたね。
 幸いなことに痛みはない、ゆえにもらった痛み止めのお世話になることも、いま時点ではない。良かった、良かった。
 しかし、これで終わりでは勿論、ない。まだ反対側の親不知と第7歯の抜歯が残っている。次回は抜いた場所を縫合した糸を取るのだが、そのとき反対側の歯を抜く日を決めるはず。こちらとしては元凶である口内炎らしきものを生み出した親不知と虫歯を発症している第7歯が抜けさえすれば、まずは良し。その後の、ケアという名目で通うことになんの抵抗もない。要するに、早く反対側の歯も抜きたいのである!!
 それにしてもこれまで一度も歯医者にかかったことのないのがささやかな自慢だったのに、くわえて歯医者の孫が歯医者にかかることになろうとは、なんたる侮辱、なんたる屈辱、なんたる恥辱。でもまぁ、なってしまったものは仕方ないね。good grief.◆

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