第3169日目 〈岩波書店さん、この本を重版してもらえませんか?〉 [日々の思い・独り言]

 ずっと欲しかった本が、全4巻セットプラスαで売りに出されていた。その古書店サイトをしばし睨みつけて悩んだが、けっきょく購入は諦めた。プラスαの書物群も魅力的で、うち何冊かは図書館で借りだして、原稿を書くに益となり、自身にとっても滋養となったものゆえ喉から手が出る程欲しかったのだが……種々の事情により断念せざるを得なかった。
 かつて岩波書店が斯界の第一人者を動員して、旧新約聖書の翻訳を分冊で刊行したことがあった。市立図書館や県立図書館クラスであれば架蔵するのではないか、と思うがすこぶる以前の刊行物ゆえ早々に廃棄されているかもしれない。架蔵状況は各図書館にお問い合わせいただくことをお願いして……。
 欲しかった本、というのは上述の岩波書店版聖書を合本したもので、より具体的に申しあげれば、旧約聖書翻訳委員会・訳旧約聖書全4巻──第1巻「律法」、第2巻「歴史書」、第3巻「預言書」、第4巻「諸書」となる。B6版上製本、刊年月は2004年12月から翌2005年08月まで。
 内容は、1997年から2004年まで全15巻で刊行された旧約聖書の註釈書をヘブライ語聖書の分類と配列に従って、記述の如くモーセ五書を収めた「律法」、旧約聖書の歴史パートを網羅した「歴史書」、<イザヤ書>を筆頭とする4大預言書に12小預言書を加えた「預言書」、いわゆる文学パートを収載した「諸書」(但し「歴代誌」はこちらに収録)の4冊にまとめ、註釈や解説を編集し直した分厚いけれど数多の聖書と同じサイズで揃えることのできる(持ち運べることの可能な)、ちょっと深く聖書を読んでみたい、とか、かつてのわたくしのように調べながら読む向きには至便なことこの上ない本だったのだ。
 それが、いまでは新刊として手に入れることができないとは。品切れなのである。本書にはA5版の机上版もあるのだが、「歴史書」と「預言書」以外は品切れになっている由。嗚呼、なんと哀しき哉!
 古書店サイトでしばらく悩んだのは、まさにこの4巻セットだったのである。加えて、同様の趣旨で再編集された新約聖書と、「福音書」を含むまとめ売りだったのだ。が、値段を目にして流石にたじろいだ。おいそれと手の出る価格ではなかったのだ。ふだんであれば若干の躊躇の後、「討ち死にじゃぁっ!」と熊楠ばりに叫んで購入ボタンを押していたのだろうが……いまはなぁ。予定外のことに出費はなるべく抑えねばならぬ状況だから、諦めざるを得なかった。
 が、勿論わたくしは諦めていない。そのうち買えるようになるだろう、と楽観している。いちばん良いのは岩波書店が重版してくれることなのだが、無理かしらん。だめ?
 オンデマンド版があるそうだからね。でもオンデマンド版って味気ない。好きではない。ふたたび出会って買える本をオンデマンド版で済ませるというのは抵抗がある。いい方は非常に悪いけれど、所詮オンデマンド版って、人手を介したコピー本じゃん。愛着もなにもありませんよ。◆

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