第3356日目 〈エズラ記(ラテン語)第1章;〈エズラの略歴〉、〈エズラへの主の言葉〉1/2with吉川忠臣蔵、読書再開。〉 [エズラ記(ラテン語)(再)]

 エズラ記(ラテン語)第1章です。

 「第5エズラ記」
 エズ・ラ1:1-3〈エズラの略歴〉
 預言者エズラはアロンの家系に列なる祭司である。ペルシア王アルタクセルクセス王の御代、エズラはメディア人の地で捕囚となっていた。

 エズ・ラ1:4-40
 わたしはイスラエルの民の主である。わたしはエズラを預言者に立てて、わたしの言葉を預ける。エズラよ、行って民に伝えよ。即ち、──
 お前たちは先祖よりも多くの罪を犯し、わたしを忘れた。異民族の神を崇め、献げ物をささげ、わたしの目に悪と映る行いにばかり耽ってわたしを顧みようとしなかった。エズラよ、行ってわが民に災いを投げつけよ。わたしに律法にかれらが従おうとしなかったからだ。
 わたしはお前たちに、エジプトを脱出する算段を授けた。割れた海を逃れて荒れ野に入り、飢えれば水と食べ物を与え、カナンへの途を示した。しかしお前たちはわたしの戒めを守らず、わたしの言葉に耳を傾けなくなった。
 「だから、わたしはほかの民のところへ移り、彼らがわたしの戒めを守るように、わたしの名を彼らに与えよう。お前たちがわたしを捨てたので、わたしもお前たちを捨てよう。」(エズ・ラ1:24-25)
 わたしはお前たちがわたしの民となり、わたしがお前たちの神となることを願った。それゆえにわたしはお前たちを集めた。しかしいまとなっては、もはやお前たちにわたしができることはない。献げ物からは目を背けよう。嘆願に耳を傾けるのを止めよう。祝祭日と新月と割礼を拒んだ民である、お前たちは。
 遣わした預言者たちをお前たちは殺めた。大地に血を流したわたしの預言者たちの血のゆえに、わたしはお前たちに復讐を果たそう。
 お前たちの家は荒れる。余所から来た民が、わたしに代わって復讐を果たす。かれらはわたしを知らずともわたしの意思を実現し、かれらは預言者を知らずとも預言者の言葉を心に留める。わたしは余所から来たかれらへの恵みを保障する。それゆえにかれらはわたしを知らず、見ずともわたしの語ったことを霊によって信じるであろう。
 エズラよ、誇りを持って目を挙げ、東から来る民を見るがよい。わたしはかれらに、歴代の預言者を指導者として与えよう。

 「東から来る民」とは、帰還する捕囚民を指す由。これによって神は新しく、自分の民を約束された地に集める、というのです。旧約「エズラ記」と絡めて読むと深い意味を持って迫ってくる、ふしぎな力のある一節といえるでしょう。
 むろん、「エズラ記(ラテン語)」のこのパートは、〈前夜〉でもお話したように「第4エズラ記」をキリスト教文書へ取りこむための後代の加筆でありますから(もっとも、最初から別文書として存在していたものを、加筆・修正のうえ合本化した可能性もあるわけですが)、絡めて読むというても若干なりとも引っ掛かりを感じてしまうのは事実でありますが。
 これまでイスラエル/ユダが繰り返し、飽きることなく犯してきた数々の罪、咎、不義に、神の怒りは爆発した。その頂点が北と南の王国の滅亡であり、ディアスポラであり、捕囚であった。それはおよそ民にとっては世界の終わりに等しかったに相違ありません。
 本章で神がエズラに託した怒りの言葉は、それを踏まえての言葉と思えます。つまり、過去形の怒り、であります。本稿では最後の2行がむしろ、希望というか、せめてもの慰み、といえるのでしょう。



 吉川英治『新編忠臣蔵』ですが、読書を再開できました。通勤時間が削られるのは喜ばしいことかもしれませんが、読書の面からいえばひとえに困りものでしかありません。加えてその通勤経路──利用駅にスタバがない、程良く空いた喫茶店の類もない、となれば尚更でしょう
 ともあれ、ずいぶんと離れていたはずなのに、すっ、と入りこんでゆける(戻ってゆける)のは、こちらがずっとその世界を意識に上していたせいか、或いは/もしくは物語の吸引力、語りの力なのか。判断に悩みます。
 先程、赤穂城明け渡しの朝を迎えた場面。ペースは上がってきた。一刻も早くこのまま下巻へ突入して、真山青果『元禄忠臣蔵』や旺文社文庫の忠臣蔵アンソロジーまで読み進たい。真山忠臣蔵を読むことで久しぶりに(シェイクスピア以外の)戯曲を読む愉しみを味わえそう。
 ……となると、今年前半は藤沢周平読書マラソンの再開は難しいか……。◆


新編忠臣蔵(一) (吉川英治歴史時代文庫)

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新編忠臣蔵(二) (吉川英治歴史時代文庫)

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  • 作者: 吉川 英治
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元禄忠臣蔵 上 (岩波文庫)

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元禄忠臣蔵 下 (岩波文庫 緑 101-2)

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  • 作者: 真山 青果
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
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