第3475日目 〈『ラブライブ!スーパースター!!』第2期第07話を観ました。〉【一部加筆版】 [『ラブライブ!スーパースター!!』]

 どさくさのうちに、というか、なかば強引な方法で、〈鬼塚夏美問題〉は解決された模様であります。その背景を根掘り葉掘り詮索、検証するのは本稿の目的でないから止めとして、とまれLiella!は「レジェンドスクールアイドルたちが遺した”9”の奇跡」を継承する資格を得た様子。
 まさかこの台詞をいわせたいがために、2期生の加入を決めたわけではあるまいが、いまは溜飲をひとまず下げて、正式に9人体制となった新星Liella!の出発を祝うことに致しましょう。



 『ラブライブ!スーパースター!!』第2期第07話「UR 葉月恋」は、前話にてすっかりゲームに嵌まった恋ちゃんが、沼から抜け出そうとメイに縋ってもがいて、挙げ句にメンバー全員の力を借りて更生(ん?)するお話でした。
 と、その一方で米女メイと若菜四季を核にする百合公認の世界観が提示された、貴重なエピソードでもあった(その百合世界、もはや全シリーズで突出している)。そうして澁谷かのんの、「やさぐれ」とはひと味違う「すねた」表情と声音を堪能できる場面もありましたね……いやぁ、アレは鼻の下伸ばして繰り返し再生する価値あるシーンだった。

 残念ながら当方にいまのゲームや筐体に関する知識がないので、恋の部屋のテーブル上に、整然と置かれていた懐かしいものから最新(何だろうな、きっと)のゲーム機がずらりと並んでいる場面を観ても、正直心騒ぐところはなにもない。
 が、アーケード・ゲームまでが何台も壁に沿って置かれているのを目にしたら、住宅販売に携わり注文住宅の施主でもある当方にしてみれば、床の耐荷重、どれくらいあるんだよ!? と突っ込みたくなってしまいます。幾ら葉月家にグランドピアノが置かれているからとて、それはピアノ設置場所だけ床下を補強したり、床下の根太の間隔を他よりも狭くしたりしているから可能なのです(※)。
 果たして葉月恋の部屋の床は、グランドピアノ級の重量物が置かれる想定で工事されていたのか。或いは、第1期最終話で恋ちゃん父が学校存続の資金援助を開始し、また第2期05話で恋がゲームに嵌まったことをサヤさんから訊いた恋ちゃん父がなかなか会えない娘のため、いろいろ苦労をかけてしまったせめてものお詫び代わりにか、事ある毎にゲーム機を贈ってくるようになったことを考え合わせると、アーケードゲーム機を贈る前にリフォーム業者を手配して、娘の部屋の床が重量に耐えられるよう工事させたのか……。どちらにせよ、第1期中盤まで「お金がないのです……」と一人娘にいわせていた家の当主のお金の使い方とは思えません。なんだかね、葉月家の最早待ったなしの財政危機、その原因は父親にあるのではないか、とさえ勘繰ってしまうのであります。
 いや、それにしても恋ちゃんのゲームへの集中力と依存度は、すみれの言葉を借りれば「いつもの恋じゃないわね」といわざるを得ません。あすこで四季がメイを問い詰めなかったら、もしかすると恋ちゃんはゲーム廃人になって、Liella!の活動を継続できなくなってしまったかもしれないのですよ(生徒会長退任劇に発展する可能性もあった!)。つまり、あれ程可可とメイが(夏美加入で)狂喜したレジェンドスクールアイドルの系譜に列なる資格は剥奪される、ということでもありました。くわばら、くわばら。
 でも、恋ちゃんがすごく楽しそうにしている姿を久々に観られたこと、青山なぎさの演技をシリアスからギャグ、崩壊に至るまで存分に(これまでになく)堪能できたこと、この2点だけでも第07話視聴の価値はありそうです。

※新築建売戸建(※※)にピアノを置く場合、床補強する必要はない、という意見があるのは、事前にリビングのこの場所は既にピアノが置かれることを想定しているから。
 「ここに置くのであれば特に補強の必要はありません。但し、置かれるピアノはアップライトピアノを想定しており、それでも恒久的に床の丈夫を保証するものではありません」=「築年が古くなるにつれて床が沈むことはじゅうぶん考えられます。しかし、弊社が保証する範囲ではありません」という意味です。勘違いしないように。
 加えていえば、アップライトピアノの平均的重量を基に構造計算されてあらかじめ根太の間隔を詰めるなどの工事をしているため、演奏者の体重や演奏用の椅子、その他諸々の各重量或いは総重量については配慮するものではありません。
 え、グランドピアノを置きたいんです? しかも、ベーゼンドルファー? 引き渡し後に専門業者にご依頼下さい。対応してあげたいけれど引渡し前にはできませんよ、検査の目は逃れられませんからね。
 でも日本の湿度にベーゼンドルファーは耐えられない、って聞いた覚えがあるけれど……ホールなんかにこの〈ピアノの帝王〉が鎮座坐していられるのは、ちゃんと湿度や温度等々の管理がされているからであって、日本の家屋にベーゼンドルファーを置くと維持費に結構なお金が掛かると、ピアノメーカーに勤める親戚がいっていたことを、そのままお伝えしましょう。
※※建売戸建、とわざわざ断ったのは、注文住宅ならばそもそも「床補強する」以前の話でしょう。打ち合わせ時にその話をしなかったのなら、それは9割方施主に問題があります。

 そうして、百合、であります。
 『けいおん!』のいつかの回で琴吹紬(ムギちゃん)が、「女の子同士がキャッキャッしているところを見るのが好き」と発言しておりました。が、そちらには仄かな百合要素こそ漂っていても個人の趣味の範囲を超えるものではなく(『THE IDOLM@STER』の小鳥さんと、そのあたりは同レヴェルか)、『ラブライブ!』シリーズ程ガチなものではなかった。
 百合は『ラブライブ!』シリーズの基調低音の1つであります。それはμ’sが始動し始めた当初から、ファンの間では囁かれてきたことであり、それゆえにその類の同人誌が後を絶つことはなかった。SSでしっかりとそのあたりを描いた作品があるのも、シリーズがどうしてもその要素を払拭できなかった証しといえるでしょう。
 とはいえ、公式がそれを認めて前面に押し出すことは、流石になかった。公式絵師たちが描くイラストやコミックに〈それ〉を思わせる部分ありと雖も、あくまで仲の良さを描いたものであって、そうした意味では事前回避がじゅうぶんに可能だったのだ。
 しかし、──遂に回避できないシーンが、ライバーの眼前に突きつけられた。他の解釈が無理矢理であったり、色褪せてしまうような、決定的なシーンが『ラブライブ!スーパースター!!』第2期第07話で描かれてしまったのでありました……。
 その決定的なシーンを演じたのが、2期生の米女メイと若菜四季。かのんと千砂都の、中学の後輩コンビであります。
 勿論前兆はありました。否、予告、というた方が良いやもしれぬ。番組スタート前の自己紹介で、四季は「好きなもの:メイ」と明言していた。四季がメイを想う心は第01話から描かれ、第04話で方向性は確立した。が、そこまでであれば、これまでのシリーズ先行作と変わるところはなにもない。
 「新しい『ラブライブ!』を作る」という意気込みは、イレギュラーながら正道を歩んだ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』を如何にして越えるか、あらゆる意味で原点にして頂点の地位から揺らがないシリーズ第1作『ラブライブ!』を越えるか、暗中模索の裏返しだったのだろうか。その模索が袋小路に陥ったとき、スタッフの脳裏に起死回生の作戦が生まれたのかもしれない。即ち、──
 仄かな百合要素を最初から漂わせ、既に二次創作では既定路線となっていたあの2人、四季とメイをくっつけよう、という。
 恋の部屋でゲームに打ち興じているメンバーたちのなかで、四季1人がゲームの進行状況に興味を向けていなかった。(恋が)ゲームでなかなか攻略できないところがあるって(メイから)聞いた、と、選抜メンバーでその箇所の攻略に挑むきっかけを作った本人が、ゲームの展開にまるで興味なく、メイの感謝の言葉に頬赤らめて生気(精気?)を抜かれたような表情になり、仕舞いにはメイにおんぶされて帰る羽目になる。時間にすれば僅かだけれど、四季の台詞がもう恋する乙女で、可愛いんだよなぁ。

 百合の件で序にいえば、学校の中庭から部室に至るシーン、その台詞をじっくり考えてみると、Liella!メンバーのなかで好き合う女の子同士がカップルになるのは当たり前だ、という認識が共有されている様子であります。
 学校の中庭で恋が、メイにこんな相談をしていた。封印したゲームの続きが気になって作曲がはかどらない、と。それがあまりに深刻だったせいか、メイが助け船を出して曰く、自分もテスト勉強をしているとスクールアイドルの動画を観たくてたまらなくなるときがある、と。それに喰らいついてメイの手を握ってにじり寄り、目を見開いて迫る恋。
 その様子を茂みのなかから観察していたのが、可可、すみれ、きな子、四季、夏美であります。ただならぬ気配の2人を観察して出された仮の結論が、「恋」だった。そのワードにびっくりして息を呑み、発言者の四季を見やる4人の表情が面白く、なかでも可可ときな子は口許まで描かれているせいか、その驚天動地な表情がよりコミカルに感じてしまうのですが、この直後、5人は部室に駆け戻る。
 可可;どうするのですか!?
 すみれ;ショウビジネス的にアイドルに恋愛は御法度。止めなさいったら止めなさい!
 鬼塚;いや、ここはいっそ、炎上させる方法も……!
 すみれ;止めなさい!
 四季;……禁止。
 そこに疑惑の中心、メイが来て四季に尋問され、更に脳天気な表情で「うぃっすー!」の声朗らかに部室に来たちぃちゃんの、空気を察してキョトンとしたり、ととにかくこの僅かな時間で描かれたメンバーの言動はコミカルかつ個性的でありました。
 ──このあたりの台詞の掛け合いや動きがなんともいえぬのですが、こうした台詞からも、上述の共有された認識を窺うことができます。
 いずれにしましても、公式が遂に作品でキャラクター間の百合関係を認定した、記念すべき会であったことは間違いないでしょう。

 これ以上の増量は避けなくてはならない。寄り道したせいだ。でも、そんなこと恐れる必要もないので、続けよう。Go Ahead.
 そうして……あぁん、かのんちゃん! この子、メンタルはシリーズ主人公のなかで最弱クラスなのに、どうしたわけかドSを巧みに使い分けられる稀有の存在であったことが判明しました。
 ゲーム依存を告白した恋に向かって、「それじゃあ、黙ってた罰として〜」とか、メイに、ゲームのある部屋の鍵はかのん先輩に預かってもらえば、といわれた際の恋の妄想でかのんがぼやいた「ゲームに興じる生徒会長のいる学校が〜?」、或いは「恋ちゃん──きらい」てふ台詞。この「嫌い」っていうときの声が本当にゾクゾクするんだよなぁ、というのは余談として──
 なんだかね、メンタルはシリーズ主人公最弱クラスながら、声の表情は最も幅広くドスの利いたやさぐれ声から天井知らずの上機嫌な声まで、すねた声のふて腐れた感じからいたずらっ子めいた感じまで、現実にいたらたいていの女の子が知らず発しているであろう喋り方がリアルに再現されてしまったことに、わたくしは驚いているのであります。否、驚いている、というよりも、深く心に印象的であった、という方がより事実に近いかな。
 昨春までリアルJKであった伊達さゆりをキャストに得た強みが、案外とこうした澁谷かのんの表情豊かな声に反映しているのかもしれませんね。
 くだくだしく述べていますが要約すると、誰がなんといおうとこの場面に於けるかのんの台詞は、とっても可愛らしいのです。

 ──本話のかのんについては、自発的に生徒会副会長に立候補したことにもびっくり。
 もっとびっくりしたのは、新1年生も入学して生徒数も増えたことからじゅうぶんに体制は作れるはずなのに、未だ恋ちゃん1人が生徒会の全仕事を請け負っていることと、それについて学校側が特になんの措置を講じなかったこと。
 本稿ではくだくだしく物をいうたりしないが、明らかに結ヶ岡女子高等学校の運営は常軌を逸している。この点については改めて別稿を設けて、お話しせねばなるまい。いまここでいうておきたいのは、そりゃあ恋ちゃん、ゲームに嵌まって没入したくもなるよね、ということであります。



 COVID-19感染拡大の影響により製作スケジュールに支障が出た関係で放送は1週間、お休みとなったが『ラブライブ!スーパースター!!』第2期第08話「Chance Way」は今日、09月11日19時から放送予定となっている。
 この間のスパスタS2ロスを補う目的でか、YouTubeの公式チャンネルはLiella!メンバー全員の朗読動画を配信した。現在も視聴は可能。
 御多分に洩れずS2ロスを補うために視聴した口だ。各メンバー平均3回程度しか観ていないが、忙しいなかを縫っての視聴と考えれば、平均3回はじゅうぶんに「観た」と胸を張ってもよろしかろう。が、スパスタS2ロスはますます深刻化した。
 オリンピックを間に挟んだ昨年S1よりは良しとしても、なぜか禁断症状は今年の方がずっと強い。原因は定かでない。が、事実は1つだけ、深刻化したということ。
 その深刻なロスを解消するため、明日は録画視聴ではなく、リアルタイム視聴を実現させられるよう努めることに致します。◆

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