第3678日目 〈衰えた力を取り戻す為に。──英語、を例にして〉 [日々の思い・独り言]

 英語の勉強をやり直したい。そう思うている。社会に放り出されて以後はご無沙汰な英語。使わぬ筋肉がやがて衰えるように、使わぬ知識も早晩衰える。わたくしの場合、その顕著なるものの一つが英語なのだった。
 この前書架の片附けをしていたら、棚の隅っこから薄っぺらいペーパーバッグが出てきた。Ursula K. Le Guinの”VERY FAR AWAY FROM ANYWERE ELSE”
 初めて挑んで青色吐息の末一年半がかりで読了したStephen King ”IT” (初体験の相手には余りに大物すぎた!!)のあとに読んだ、『ゲド戦記』の作者によるヤング・アダルト小説である。読了の直後にコバルト文庫から出ていた翻訳を古本屋で手に入れたが、自分の読解があながち間違っていないのを確認できて、ほっ、と胸を撫でおろした記憶がある。
 時は流れて、つい先日。Le Guinの、この、薄っぺらい(再々、失礼)ペーパーバッグを見附けて、懐かしさもあって読み耽ってしまった──
 ──といいたいが、然に非ず。初稿で書いた実例はここでは省くが、まぁ、基本的なレヴェル──中学英語のレヴェルで、怪しくなっていたのだ。愕然としましたよ。
 この冷酷な現実から目を背けることは、できなかった。使わぬ筋肉に喩えて読書の中断が招いた読解の低下を嘆いた。新しい世界を知る愉しみを自ら放棄したことを悔いた。そのささやかなる反省と反動に拠るのだ、英語の勉強をやり直したい。そう思うたのは。
 さしあたってなにを読むか、すぐには決められない。現時点で候補になる本は決まっていない。ただ、本稿の執筆の発端となったLe Guinは避けた方が賢明だろうな。Cambridgeの本屋で購入したSHERLOCK HOLMESのComplete Storiesも挫折したときのショックの深さを思うと、同じく避けるが吉か。つまり、候補作ではなく除外作を先に考えたのだ。──え、ネガティヴ・シンキング? うん、そうかもね。でも、まずは多読して足腰を鍛えることの方が先決でしょう。
 読む作品は追って検討するとして、──ラダー・シリーズのようなリトールド作品のシリーズや米国で使われている外国人向け英語学習テキストあたりが再学習の取っ掛かりには無難か──、自分の部屋へ戻って机上を眺めれば、これまで英文を読む際身辺にかならず侍らせていた英和辞典と文法書、読み物がある。これらがあれば極端に英文のレヴェルが高かったり、構文が複雑極まる代物を選ばぬ限り、♪どうにかなるんではなかろーか♪、と楽観している。
 衰えた筋肉の復活には、どうしても時間がかかる。焦らず急がず、根気よく、長丁場になるを覚悟せねばならぬ。衰えた「英語を読む力」についても、きっと同じだろう。焦らず急がず、ゆっくり、根気よく、──。◆

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