第3692日目 〈杉原泰雄『憲法読本 第4版』を読みました。〉 [日々の思い・独り言]

 今年になって読んだ本で、こうも読み終えるのに手こずった一冊はなかった。内容的にも、時間的にも。杉原泰雄『憲法読本 第4版』である。岩波ジュニア新書、2014年03月刊。
 銀行の待ち時間に開いて、いつものスターバックスで閉じた。50ページ弱を、2時間ちょっとで読んだ。
 岩波ジュニア新書、侮るなかれ。思い知らされた。これはとても中身の詰まった、常に読者へ「考える」「思い出させる」ことを促す一冊だ。
 テーマがテーマだけに簡単に流すことを拒む点では、これまで読んだ憲法関連書と同じ。本書の場合、果たして想定ターゲットは、選挙権を持ち、社会に出て種々の条令や法律、社会制度にかかわって生きるようになった「成人」なのだろう。だからというて勿論、本来レーベルが想定する読者層を蔑ろにしているのではない。この年代で(最初に)読んだとしても年齢を重ねるにつれ、社会や法律との関わりを強めてゆくにつれ、幾度だって読み返して現状認識や問題意識を改め、また新たにしてゆくを可能とする一冊なのだ。
 わたくしは──偽らずにいえば、ちょっと息切れを覚えながらどうにか読了した。この前に何冊か憲法の本を読み、日本国憲法にも数度目を通していたこともあり、抵抗はなかった。が、中身はかなり詰まっており、その密度も相当に濃い。一日に読み進められるのは精々が10ページ程。立ち止まって考えこみ、思い出そうと前の方に戻ったり、或いは巻末の憲法条文を読み、……を繰り返したからである。
 ふだんであれば読みながらシャープペン(シャーペン、なの? いまって)で書き込みとかするんだけど今回は、読書最終日を除いてそうした作業は殆どしなかった。二、三箇所くらいかな。早々にその作業を放棄もしくは諦めていたからね。なぜといえば、割にはじめの段階で再読を要すとわかっていたから。読了から旬日経ぬ間に二度目の読書を実行し、そのとき書き込みとかしよう、と決めていたから。まずは読了すること、まずは本書の全体像を(最後まで読むことで)把握すること、この二点を最優先事項と定めたから。
 来月から再読、始めますよ。あと28.5時間で来月11月やけどな。でもその間に、ちょっと息抜き。小説を……願わくばそのまま憲法に戻ってこない、なんて事態に陥らぬことを。それは結構、厄介なことだからね。
 「〜`23.10.30 18:29了
  青色(息)吐息乍ら充実した、濃密なる読書の一刻を味はふ
  但未だ理解及ばざる点、考えたき点、多く有。喫近(緊)の再読とノートを要す」
──本書『憲法読本 第4版』扉に書き付けた、読後最初の感想である。「青息吐息」の用い方、間違ってますね。この場合は「罷弊」なんて語が、字面も含めて似つかわしいのだけれど、「ヘトヘト」とか「クタクタ」っていう方が感じが出て相応しいかもね。◆


憲法読本 第4版 (岩波ジュニア新書)

憲法読本 第4版 (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 杉原 泰雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: 新書




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