第3719日目 〈英語の多読について。4/4 単語調べ補足とステップラダー・シリーズ、読書ノートのこと。〉 [日々の思い・独り言]

 前項でわたくしは、載っている単語でわからんものは片っ端から巻末のワードリストにあたって調べてしまえ、それくらいまで割り切っちゃえ、と述べた。暴言だなんて思っていない。基礎的単語は何度辞書やワードリストで調べたって過ぎることはないのだ。mustとかdecideとか、shouldとかcouldとか、be afraid ofとかbecause ofとかといった、動詞や助動詞、形容詞、前置詞、代名詞、副詞の類は(作っただけで満足する単語帳と違って)辞書やワードリストを何回も引いた方が確実に脳味噌へ定着する、というのが実体験から導き出した提言である。……leftの例もあるしね。
 いまでもボキャビルマラソンの本やコースってあるのかな。でも、ボキャビル(ボキャブラリー・ビルディング)だけやっても、多読にどれだけの効果があるのか、と疑問に思います。単語の蓄積に力を注ぐなら、同じくらいの力を文法にも注がなければならない──って話にまでなりませんか。そうなったら、中高で計六年間やって来た英語のつまらん授業の繰り返しである。ボキャビルが無意味なんていわないけれど、そちらへ注力して読書が疎かになったり、本末転倒の結果を招くのならば、そちらへは(いまは)手を出さず愚直にワードリストのお世話になり、いつかそこから離れるようにすれば良いだけだ。

 そうそう、言い忘れるところだった。ラダー・シリーズLV1を困難に感じたり、或いは買ったはいいが、二、三ページ開いただけでそのまま読むのを止めてしまう人も、なかにはあるだろう。
 そんな人の気持ちがよくわかる。正直にいえば、並行して読む本が多くて例の『ガンジー伝』も読むのを止めていた日がトータルで1週間ほど、わたくしにもあったから。
 そうした人のために、同じIBCパブリシングから出ている「ステップラダー・シリーズ」を紹介しておきたい。ページを開けばたっぷりとした余白に大きめの活字で組まれた本文に、挿絵が添えられるばかりでなく、そのページの粗筋やキーワードになる単語と熟語の意味が載り、キーセンテンスといってちょっと長かったり難しかったりする表現を改めた項目も用意されている。読みやすさ、とっつきやすさという意味では、LV1よりもこちらの方に軍配をあげたい。
 このステップラダー・シリーズもLV1からLV3まで、児童文学やミステリ、名作小説がラインナップされている。わたくしもLV1(使用語彙300語)から『ロミオとジュリエット』と『美女と野獣』(このセレクトに意味はある)、LV2(使用語彙600語)から『くまのプーさん』と『赤毛のアン』、LV3(使用語彙900語)から『シャーロック・ホームズの冒険』を読んで、気持の上で(あくまで気持の上、である)英語を英語のまま読む姿勢を取り戻して、『ガンジー伝』に戻ったクチである。
 IBCパブリシングHPの特設サイトから、引用する。曰く、「ステップラダー・シリーズは、やさしい英語で書かれた、英語初級〜初中級向けの英文リーダーです。初心者レベルの方でも無理なく読めて、段階的にステップアップできるようにつくられています」と。まだ英語を沢山読むことになれていない人、なにから手を着けていいかわからない人、に向けた、最適のテキストというてよいのではないか。

さて、世に読書ノートというのがある。本ブログでもたびたびワードだけは登場する、読んだ本の内容や感想を記録したノートだ。最後に短くこの話題に触れて擱筆したい。
 英語の多読でも、この読書ノートは役に立つ。内容や感想を後日振り返るだけではない。それ以上の役目を、多読に於ける読書ノートは発揮する。これまで何冊読んだのか、これまで何万語を読んで目標数値まであと何冊(何語)を読めばよいのか。具にそれが記録されたノートは自分の現在地の確認と将来の道程を示してくれる。自分が着実に英語読書の経験値を積み重ねてきていることが一目瞭然であり、モチベーションの維持・向上にもつながる。ノートの作成は今後の読書の指針になることでもあるから、是非の作成を勧めたい。
 ここでフト意識に上るのが、先日感想文をお披露目した横田順彌の読書ノートのこと。
 書肆盛林堂から刊行されたノートの解説に、原本のサイズは明記されてない(追悼展に行っていないから補足説明もできない)。おそらくポピュラーなB5、原寸ならA6だろう。形式は大学ノートに、書名・著者名(訳者名)・出版社・五行程度の感想、が記されたシンプルなものである。
 こんな感じでなら、多読用の読書ノートも飽きることなく続けるのではないか。負担は少なければ少ない程よい。エッセイや論文の土台になるわけでなし、備忘の域に留まるものでしかないのだ。ヨコジュン氏みたくシンプル極まりないスタイルがこの場合、ピッタリなように思える。
 読んだ本が増えれば増えるだけ、ノートは増える。個人差こそあれ英文を読むスキルは、そうした過程で貯えられてゆく。成長の確認、将来の目標、停滞期の再出発に、読書ノートはきっと励ましを与えてくれる。◆



ロミオとジュリエット (ステップラダー・シリーズ STEP 1)

ロミオとジュリエット (ステップラダー・シリーズ STEP 1)

  • 作者: ウィリアム・シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2021/11/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



Beauty and the Beast ステップラダー・シリーズ 美女と野獣

Beauty and the Beast ステップラダー・シリーズ 美女と野獣

  • 作者: アイラ・ポールソン
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2022/09/16
  • メディア: Kindle版



くまのプーさん (ステップラダー STEP Ladder Step2)

くまのプーさん (ステップラダー STEP Ladder Step2)

  • 作者: A・A・ミルン
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



赤毛のアン (ステップラダー STEP Ladder Step2)

赤毛のアン (ステップラダー STEP Ladder Step2)

  • 作者: L・M・モンゴメリ
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2020/06/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



Adventures of Sherlock Holmes ステップラダー・シリーズ シャーロック・ホームズの冒険

Adventures of Sherlock Holmes ステップラダー・シリーズ シャーロック・ホームズの冒険

  • 作者: コナン・ドイル
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2022/09/16
  • メディア: Kindle版




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