第2985日目 〈今日はなんの日? 結婚しました。〉 [日々の思い・独り言]

 みくらさんさんかはこの度、一般女性と入籍致しました。謹んでここにご報告させていただきます。お前も一般人だろ! なんてツッコミはなしな。つまらぬ。
 顧みればその人とわたくしは随分と長い時間を、(結果的に)一緒に過ごしてきた。有楽町で再会して以後は即かず離れずの関係を保ち、共通の知己に声を掛けられて出向く飲み会でたまに会っては近況報告をする程度の間柄だったのが(まだ成人前の女子大生だった! 歳月が流れるのは早いね)、いつの間にやらこうなりました。だってはじめて逢ったとき、彼女はまだ中学2年生だったんですよ?
 どうしてだろうねぇ……。彼女がかつてわたくしが在席していた旧財閥系グループの中核をなす総合商社に新卒入社し、配属先の直属上司がわたくしのグループ同期だった<偶然>てふ名の縁はあっても、彼女がわたくしを知る者となったらあることないことまぁこれが様々吹聴するったらない。事後報告されて多少なりとも憤慨したとはいえ、まぁ年下で新卒で可愛い女の子とどうにかして話題を作ろうと努力(=空回り)した結果なんだろうね、と恩赦を与えたのは実は2度や3度では済まされない。それはともかく。
 入社から数ヶ月してブラジルへ赴任するというとき、はじめて朝から晩まで2人きりで過ごした。詳述はしないが、有楽町で再会してから3年という時間が経っていた。そうして日本へ帰国したその日、飛行機が空港に到着して入国ゲートから出て、さて会社に行こうかな、とタクシーを探してうろうろしていたとき、大きな揺れが成田空港を襲った。2011/03/11/1446──あちこちに電話しまくってようやくつながったのが、なんとわたくしのケータイであったという。彼女の第一声はいまでも覚えている、曰く、あ、つながった……ねぇなんでよりによってみくらさんなの? と。失礼な話である。「よりによって」とは、むしろわたくしの台詞ではないか。失礼こいちゃう話だ。
 その後も彼女がロシアに赴任したり、わたくしもまぁ流転の時を過ごしたけれど、なんだかお互いに随分と回り道をしたように感じます。収まるべきところに収まったね、といってくる者もあれば、まだ結婚してなかったの、と真剣に小首を傾げてきた者もある。いつかそのうちこうなると思ってた、という人もあれば、ストレートに「キモい」と喚いてきた輩もある(オ前ナンカ結婚式ドコロカ二次会ニダッテ呼ンデヤルモンカ! 呵呵)。
 昨年のクリスマス・イヴから正月3が日までほぼ一緒に過ごし、<昼は淑女で夜は娼婦>をたっぷり堪能させていただいた。夜更けに食べるお手製のビーフシチューはとても美味しかった。本場仕込みということもあり、ボルシチは勿論、ペリメニやビーフストロガノフ、ザックスカ、ピロシキ等々ロシアの家庭料理は文句の付けようがない程の美味。元から料理上手とはいえ、ロシア料理に加えて和洋中にエスニックまでなんでもござれな彼女の手料理を、これからは毎日食べられるのかぁ、と思うと、ジムに通ってどれだけ脂肪や体重を落としても幸せ過摂取によりリバウンドが大きすぎるのではないか、なんて懸念を早速抱えているのだ……とは贅沢な発言か。
 お断りしておくが、過度に情を交わして愛をぶつけ合ったとはいえ授かり婚ではない。向こうが焦りを感じて適当に相手を見繕ったらたまたまわたくしが餌に引っ掛かったわけでもない。互いの合意によって縁を結んだのだ。「信仰と希望と愛、この3つは最後まで残ります。そのなかで最も偉大なるは、愛です」(一コリ13:13)
 ──さて、ここでわたくしは読者諸兄に問いかけたい。本稿のタイトルは、果たして何であったか。わたくしは読者諸兄に語りかけたい。今日までのブログの流れをとく顧みよ、と。その上で導き出される結論は、なにか? ここに書かれたことがすべてフェイクであるという、これ以上はないぐらい明瞭な事実。つまり──エイプリル・フールおめでとう。そうして、ごめんなさい。
 ところでわたくしは本稿の数ヶ所に、われながらかなり技巧を凝らしたと自負するかなり挑戦的かつ内部告発的なメッセージと、わたくしの文学的思考を知る者ならばすぐに読み解ける信条告白的なメッセージの2種を塗りこめてみた。このメッセージありきで本稿は、エイプリル・フールのジョーク記事は書かれている。解読できたらば、君よ、ここに隠された場所で会おう。河を渡れ。◆

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