第3354日目 〈YouTubeで懐かしの洋楽を視聴しよう!(その5)〜ベリンダ・カーライル”輝きのままで(Leave A Light On)”〉 [日々の思い・独り言]

 毎週のようにTVKの洋楽番組を観ていた。お小遣いもアルバイト代もたかがしれている高校生にとって、EPもLPも吟味に吟味を重ねたうえで購入するものであったから、『SONY MUSIC TV』や『ミュージックトマト』、テレ朝『ベストヒットU.S.A』は海彼の未知のアーティストを知る限られた手段であった。勿論、FM放送は除いている。本稿はあくまで映像のお話なのだ。
 1989年である(らしい)。ボンヤリ観ていた『SONY MUSIC TV』で1人の女性アーティストの新曲MVが流れた。釘付けになった。耳が、ではない、目が、である。本稿は。ずっと活動していた人であったが未知未聴、未見の人であった。名前をベリンダ・カーライル、という。かつてGO-GO’Sでヴォーカルを務めた女性。
 そのとき流れたのは「Leave A Light On」。ソロに転進して3枚目のアルバム、《Runaway Horses》(1989)の劈頭を飾る曲であった。邦題は「輝きのままで」。それが同時にアルバムの邦題ともなった。
 綺麗だな、と思うた。カッコいいな、とも思うた。チャーミングな人だな、と思うた記憶もある。若手ハリウッド女優たちからは感じたことのない<大人の女>の色気があった。アンニュイさとスタイリッシュさが奇妙に混同した映像にも魅せられた。そうして当時の印象は、世紀が変わった今日でも実は大した変化を見せていない。
 とまれ、わたくしはその瞬間にベリンダ・カーライルのファンになり、FM誌をチェックして彼女の歌が流れる番組は軒並みエアチェックして、時に編集も厭わなかった。前述したアルバム《輝きのままで/Runaway Horses》が発売されて間もない時分のことだから当然、このアルバムからピックアップされた数曲──即ち、「Leave A Light On」同様MVが作られてテレヴィの洋楽番組で流れた曲──が専ら流れたけれど、次いで多かったのが前作、2枚目のアルバム《Heaven On Earth》の冒頭に収められた、ベリンダ・カーライルという歌手がGO-GO’Sの呪縛を断ち切って1人の女性シンガーとして地歩を固めた曲、「Heaven Is A Place On Earth」であった。こちらはいまでも1980年代の洋楽コンピレーションアルバムには収められる時代を代表する曲でもある。余談となった。先を急ごう。
 とはいえ、わたくしが《輝きのままで/Runaway Horses》を購入したのはこの年ではなく、翌る1990年であったように記憶する。しかも、ほぼ同じタイミングで輸入盤と国内盤を両方とも購うということを初めて行った洋楽アルバムでもあったのだ! 正直なところ、どうしてこのような行為に及んだのか不明である。まァ、春の陽気に浮かれたのだろう。そういうことにしておこう。
 彼女がGO-GO’Sというガールズ・バンドのヴォーカルだったことを知ったのは、《輝きのままで/Runaway Horses》国内盤に添付されたライナーノーツによってである。実際にGO-GO’Sのアルバムを聴くことになるのはそれから何年経ってのことか忘れたけれど、1991-1994年の間であったはず。初めて聴いたGO-GO’Sのアルバムが2枚目の《Vacation》であったことは確かである──序でにいえばそれは買ったのではなく、都内の区役所の視聴覚室から借りたあまり傷のないLPであった……なんだか懐かしいな。
 ──久しぶり、というか2年7カ月ぶりの「YouTubeで懐かしの洋楽を視聴しよう!」だが、今後も耳の調子がすこぶる調子の良い頃を見計らって書き溜めてゆければ、と思う。未定稿を補訂のうえここにお披露目することもあろう。実は本稿もその1編である。◆

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