第3445日目 〈『ラブライブ!スーパースター!!』第2期第04話を観ました。〉 [『ラブライブ!スーパースター!!』]

 遅ればせながら『LLSS』S2#04「科学室の2人」の感想文です。だいぶ日数があいてしまった。
 悪質な夏風邪のぶり返しもあって書こう、書こうと思いながら気怠さや疲労を理由に日1日と先延ばしにしてきましたが、流石にもうこれ以上の延滞は難しいと判断。次回第05話放送を前にした今日、まだ若干熱っぽさと倦怠の残る身体に鞭打ってキーボードに向かっている次第です。
 なお本稿は買ったばかりの有線キーボードの慣熟テストを兼ねているため、いつもより分量がちょっとだけ少なくなることを、あらかじめお断りしておきます。



 今回は前回予告通り、米女メイと若菜四季のLiella!加入回。
 初登場時から限界オタクぶりが噂され、回を追うごとにその素顔が視聴者の前に露わとなっていったメイですが、一方でスクールアイドル好きを若菜四季以外の誰かに察せられるのを厭うて、きな子とクラスメイトがスクールアイドルについて話したりしていると睨めつけてきたりしました。その理由は本話にて解明されますが、メイの加入過程は(最後の加入者鬼塚夏美のそれと同じく、)極めて興味深いものでありました。
 観終わったいま、第04話「科学室の2人」はメイと四季という、互いに不器用で似た者同士な、歪んだ鏡が見せる相似形の2人がたがいの気持ちをおそらく知りあって初めて、ストレートにぶつけ合って絆を深めるのと一緒に、気持ちに正直になって新しい一歩を踏み出した<新しい2人>の物語であった。こちらのフィルターが掛かっているせいかしれませんが、憑きが落ちたかのようなその後のメイと四季の笑顔はとても純粋で、ほんの少しだけ成長した2人を見るような思いがするのであります。
 第2話でしたか、メイは、スクールアイドルをやってゆけるか不安だったきな子に向かって、「自分がやりたい、目指したい、って思ったことを信じてみろよ。周りの声なんて──気にするな」と諭しました。それはきっと、自分への言葉だったのでしょう。スクールアイドルに興味があるどころか憧れていて、しかも同中の2人が所属するLiella!の熱狂的ファンで匿名で差し入れしちゃう程の愛と行動力を持っていても、見た目がそれっぽくなく言動もまた然りゆえに自分にスクールアイドルは向いていない、と自分で分析、結論附けたメイ。その世界から一歩引いていた自分だったからこそきな子に、あたかも希望を託すかのようなあの台詞を手向け、同時に自分のなかに残るスクールアイドルへの逆巻く愛を宥めていたのかもしれないな──本話まで観たあと改めて過去回を観直すと、思うのであります。
 そういえばメイは<代々木アイドルフェスティヴァル>(第03話「優勝候補」)で撮ったLiella!の写真を休み時間、恍惚とした表情で眺めておりました。これまでクラスメイトはメイのスクールアイドル好きを本当には知っていなかったかもしれませんが、それはいい換えれば本話00分43秒で見せた件の表情を見たことのない人が1人もいなかったことの証左。
 これはメイ側にしてみれば巧みな隠蔽工作の賜物なのでしょうか。否、そうではあるまい。
 ここで改めて公式サイトのメンバー紹介に戻りたい。米女メイの発言である。曰く、「小さい頃からいつも目つきが悪いって、友達にも怖がられてきたんだし。大体、好きじゃないんだよ。そんな風に自分のこと話すのって」と。また運営がキャラ紹介文として付けたプロフィールには、「斜に構えた、一見とっつきにくい不良っぽい女の子。そのせいか、周りから怖がられることも多いが、若菜四季とは不器用な者同士、つかず離れずの関係を続けている」と。加えて、本話ではきな子の証言(?)も飛び出した。曰く、「それで、クラスでちょっと怖がられているんっすね」(12分24秒-12分27秒)と。
 ここから想像するにクラスメイトたちは、同じクラスということで表面上は無難に付き合いをしていても、四季とばかり関わって他のクラスメイトは基本的にシャットアウトしているように映るメイと、どんな話題を、どんな風に切り出せば良いか、考えあぐねているのではないか。それが、きな子が四季に促されて姪をスクールアイドルに誘った際のあの、一見過剰とも思えるクラスメイトたちの反応である(第02話)。
 もしかすると彼女たちは、いま学内で話題のLiella!へ加入した(=スクールアイドル部に入部した)きな子を触媒に、スクールアイドルの話ができると思いこんだ……もとい、期待したのかもしれない。まだ年度も改まってそう経っていない時分であるから(GWにはまだなっていない?)、皆が皆、同じクラスの生徒について知っているわけではあるまいし、結ヶ岡女子高等学校は中等部を併設しない高等部のみの学校であるのだ。いい方は悪いかもしれぬが、全く以て未知の存在たる生徒も多かろう。「あの子はどんな子なんだろう?」「あの子となにを話したら良いかな」と胸中、いろいろ思うところもあろう。
 ましてや米女メイ、その外見と目つきの悪さゆえに人を遠ざけてしまっていること、上に引いたプロフィールと自己紹介コメントから推察することは容易でありましょう。今回、ぶじLiella!へ加入したことで、クラスメイトたちとメイの会話する場面が増えることを祈ります。

 外苑西中学から結ヶ岡女子高等学校へ進学した生徒は、第1期だけで7人が確認できました。かのんと千砂都、ナナミ、ヤエ、ココノ、第01話冒頭でかのんと会話していた音楽科に進学した2人、であります。新設されたばかりの結ヶ岡女子普通科1年に何クラスあったか、定かでありませんが、画面に映った普通科の制服を着た生徒の延べ人数から推測しても、精々が2クラスでしょう。
 現在の高校の1クラス平均人数がどれだけなのか知りませんが、親戚や友人の子供などに訊くと35-40人程度はいそう。まぁ35人としても内4人が同じクラスにいるって、なかなかの比率だと思うのでしょうが、どうでしょうか。
 なにがいいたいかというと、外苑西中学は立地の関係もあって、これまでとあまり生活圏の変わらぬ、しかも卒業生がスクールアイドルとして活躍している近隣の結ヶ岡女子高等学校を、進路指導の際に奨めることは自然な流れであり、第2期に於いて最終的にどれだけの外苑西中出身者が結ヶ岡女子へ進学したかわからぬけれど、そのうちの2人が他ならぬ米女メイと若菜四季であったことが今回判明した新事実である、ということをいいたかったのだ。
 そう、4人は同中だったのです。米女メイと若菜四季2人の中学時代の回想場面を観ていて、見覚えのある制服だな、と思うていたらそれが、第1期第01話冒頭でかのんが着ていた外苑西中学の制服でありました。すみれは違う中学出身であることが既に明らかとなっておりますが(第1期第04話)、恋の出身中学はどのようなところだったのだろう、とはたしかそのとき、脳裏をかすめた疑問でありました。
 それにしても、……『ラブライブ!スーパースター!!』の世界では学校の制服に、学年毎の差異を付けるということはしないのでしょうか。音ノ木坂学院も浦の星女学院も、虹ヶ咲学園も、ブレザーやセーラーの違いこそあれ、リボン・タイで学年の識別ができるようになっていました。現実的に考えても、そのあたりで区別するものでありましょう。
 しかし、なぜ結ヶ岡女子高等学校は? 外苑西中学は? 識別するためのアクセサリーがデザインされなかったのか。不要であるならば、その結論に至った理由は? スタッフは誰一人、その点について疑問を抱かなかったのか。デザインするのが面倒臭かった? 斯様に細かな部分への目配りが作品世界を堅牢なものへ近附ける、と、どうしてわからないのかな。──わたくしが気が付いていないだけであったら、どうぞご指摘ください。

 これまでスクールアイドル部に、部長はいなかった! 1年間活動してきたのに!? 或る意味でこれが本話、もう1つの柱となるトピックでありました。
 初年度は生徒数も少なく部活の数はともかく部員が少ないことで、風通しも見通しも良く、下世話な話をすれば予算配分もそう難しいものではなかったでしょう。が、創立2年目、普通科も音楽科も生徒数が増えれば既存のクラブは人数が膨れあがるところ発生し、新設される部活・同好会の類はどれだけの数になるか予想が付かない(虹ヶ咲学園程ではないでしょうけれど)。
 全体を把握するという生徒会の目的を果たすため、恋は部長会のようなものを開こうと思いまして……と、屋上での練習中にメンバーに伝える。その過程で、ではスクールアイドル部の部長はは誰にするか、という話になり、かのん以外のメンバーは当然かのんが部長に相応しい、といい出す──半分責任回避である。
 それを承けての06分05秒-06分19秒、久しぶりに描かれた千砂都のバイト先でのかのんと千砂都の会話です。曰く、──
 かのん;だからこそ、新しくなろうとしているLiella!の部長は、自分じゃない人の方が良いと思う。たとえば……ちぃちゃん、とか。
 千砂都:私!? 私はムリだよぉ。
 かのん;どうして?
 千砂都;だって、そういうの向いてないし……。
 このあと、若菜四季がかのんたちを訪ねてきてこの話、一旦中断となるのだが、或ることをきっかけに千砂都が立ちあがる(Chisato is rising,)。
 15分57秒-15分59秒
 メイ;だからいってるだろ。私は向いてないって。
 16分12秒-16分15秒
 千砂都;……向いてない……。
  (千砂都の回想)
 (秋の公園、池の畔。幼少期のかのんと千砂都、並んで坐っている。泣きじゃくっている千砂都)
 かのん;できるよ。ちぃちゃんはなんだってできる! 
 千砂都;……できないよ……。
 かのん;(千砂都の手を両手で握って)ちぃちゃんは、自分ができないって思いこんでいるだけ。だから大丈夫!
 千砂都;かのんちゃん……。
  (現在に戻る)
 (若菜四季を見送るメイを見る千砂都)
 16分56秒-17分12秒
 千砂都;向いてない……
 かのん;え?
 千砂都;決めちゃってたよね、メイちゃん。
 かのん;えっ──うん。
 千砂都;できるって思えばできるかもしれないのに。
 かのん;んあぁ……
 千砂都;かのんちゃん、あのね──!
 17分15秒-18分01秒
  (黒板に「結ヶ岡女子高等 第一回部長会」)
 恋;ではこれより、結ヶ岡女子高等学校第一回部長会を始めます。 
 四季;科学愛好会部長、若菜四季。
 千砂都;──スクールアイドル部部長、嵐千砂都です!
  (その様子を扉の影から見ているLiella!4人)
 かのん;──ちぃちゃん!
  (そのまま時間遡り、部室)
 恋;千砂都さんが!?
 可可;部長を!?
 千砂都;迷惑かけるかもしれないんだけど、自分にもできるんじゃないかって。チャレンジしたいんだ。
 可可;素敵デス!
 きな子;付いてゆきます、先輩!
  (可可、すみれ、恋、頷く)
 千砂都;みんな……。
 こんなに長々と台詞を引用してきたのは。10題は可能性の塊だ、という古臭くて小っ恥ずかしいことを敢えていうためでありました。社会人になっても大同小異ですが、やらぬ内からできないと逃げ道を作って、いつでもそこへ逃げこめる準備をしておくのは最低であります。過去に失敗したトラウマがあるならまだしも、新しい世界を見るチャンスを自分から潰しに掛かるのは、単なる腰砕けというて宜しいでしょう。自分自身の体験も踏まえて、そう思います。
 そんな次第で、斯様にできないと泣いていた千砂都が、部長、という立場を経験してみようと思い立ってそれを実現させたことは、千砂都自身にとっても大きな前進の一歩であったろうし、『ラブライブ!』シリーズが掲げる〈みんなで叶える物語〉の一変形であるように感じられるのであります。
 また、07月31日にライブ配信された『ラブライブ!スーパースター!! Liella!生放送 〜TVアニメ2期放送開始記念! 夏もみんなでスーパースタート!!〜』にて嵐千砂都役岬なこが第2期第01話と第02話の放送を振り返っての見所3つを挙げた際、3つ目に「安心と信頼のちぃ」と書き、Liella!メンバーを一歩引いたところから見ているような、とコメントしている(24分30秒付近)。
 わたくしは本話の千砂都の部長就任までの流れや皆とのやり取りなど観ていて、ふとこの配信を思い出し、これ以上望むべくも難しい形で実現したことを喜ばしく思うている。



 準備不足は否めない。あれを書こう、という気持ちが先走りすぎて、盛り沢山になるのを理性を以てそれを御し、時間が許せば本話の感想文は2回に分けたいとさえ思うた。が、それはできない。臥せっていた間に溜まったことの処理や役所と病院・銀行通いを最優先で片附けなくてはならないからだ。
 というわけで、本話についてはメイのことばかり語ってしまったけれど、機を見て同じぐらいの比重で若菜四季のことも語るつもり(特に20分40秒から20分45秒の四季ちゃんな!)。これが本稿への増補になるのか、独立した若菜四季についてのエッセイに組みこむかは未定。でも、書きますよ。四季のことを語らずしてメイのことは語ったことにならず、メイのことを語らずして若菜四季のことを語ったことにもならず。というわけである。
 ただこの段階で1つだけいうておきたいのは、若菜四季と米女メイ、この2人が同じ中学で出会い、親友になり、同じ高校に進学できたことに感謝したい、ということ。この2人はですね、断ち切ってはならん2人ですよ。因みに本話のED歌唱はこの2人でした。
 8人で「Song for All」やったの、良かったね。
 次回第05話はようやく鬼塚夏美メイン回(加入回はいうていない)、「マニーは天下の回りもの」。第01話を除いて登場平均時間1分の夏美がバイトに明け暮れる理由や、そもそも「株式会社オニナッツー」がなんの事業を行っているのか、など片鱗だけでも説明されたらいいのですが……夏美の部屋に積まれた10万円貯金箱(画面で確認できるだけで6個!)も気になりますね。それにしてもLiella!メンバーで「日経平均」とか「CEO」の意味を知っている人がいない、っていうのも、なんだかなぁ……である。◆

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