第3458日目 〈『ラブライブ!スーパースター!!』第2期第06話を観ました。〉 [『ラブライブ!スーパースター!!』]

 日曜日から月曜日に変わる頃、録画していた『ラブライブ!スーパースター!!』第2期第06話「DEKKAIDOW!」を観ました。あまり気乗りしないまま、観ました。



 前回、集中的に糾弾した鬼塚の件に関しては──第1期の恋加入回程ではないにせよ、予定調和的かつ矛盾を脇に押しやって無理に整合性を整えた感を微量に漂わせて(物語上は)、解決しました。要するに、肝心な回であることをじゅうぶんに承知しながらも視聴者たるわたくしには「捨て回」としか映らなかった、ということでもあります。
 ただ、鬼塚のマニー信仰がどこから来たのか、その由来を知ると、この子をヒール役とかどうとかいえなくなってしまうのも事実。たいていの人が1つの夢を実現させるためひたむきに努力して、見事それを実現させられるわけではない。挫折しても新しい夢を見附けて、実現のための第一歩を踏み出すことを繰り返してゆくばかりである。
 第01話で鬼塚がきな子に掛けた台詞に曰く、──

 向いていないことを幾ら頑張ったって、ダメなものはダメです。
 でも、やってもないのに向いているかどうかなんて、わからないでしょ?

──と。
 これを第06話の段階で顧みれば、鬼塚が過去に描いてきた夢の数々と、同じだけ経験してきた挫折──というよりも「諦め」が、かの台詞の背後にあることを、否応なしに痛感させられます。咨、わたくしはもう少し鬼塚夏美の過去について、想像力を逞しうするべきであったかもしれません。そうすれば前話での姑息な手段にも寛容になれたろうものを。
 鬼塚は鬼塚なりに自分の当面の目標を達成するために、あるいはゴールと設定した場所へ少しでも近附くために、彼女なりの努力をしていたのです。夢は、きな子に問われて答えたように、”いまは”ないのかもしれない。しかし、鬼塚を動かす原動力は、なにも他の子たちや、なによりもむかしの自分が描いていた「夢」ばかりではない。
 思い出そう、彼女が配信した動画のなかに、「【禁断】夏美のオニ辛口徹底追及〜時事ネタ編〜Part1」なるタイトルがあったことを。第05話時点での再生回数は221、公開は2週間前(5月中旬から下旬? 第05話で学生たちは夏服だった。既に衣替えは済んでいる様子なので、そこから2週間前であれば、少なくともGWは終えているはずだ)でした。
 ここでは時事ネタ篇を謳っているが、高校1年生の女の子がなぜこんな「手に余る」ネタを取りあげたのだろう。憶測の域は勿論でないが、彼女のマニー信仰に起因するのではあるまいか。いつから動画配信を始めたのか、会社の設立がいつだったのか、定かにする資料は供されていません。
 しかしながら、株式会社を設立し、曲がりなりにも代表取締役を務め、CEOを歴任すると自称する以上は、社会の動向に注視せざるを得ないでしょう。ネットニュースや新聞社のサイトに載る記事、或いはテレヴィのニュース番組や鬼塚商店に毎日配達されているだろう新聞に触れて、社会の動きが経済へ直結することを学び、自分でもたとえば某動画投稿サイトや初心者向けのブログやホームページで勉強したりしたのだと思います。でなければ、「日経平均全面安」という台詞も、ただ「いってみただけ」のそれになってしまいます。
 「【禁断】夏美のオニ辛口徹底追及〜時事ネタ編」はそうした勉強の賜物であり、経済の流れや経済用語が或る程度わかってきた証左にもなっている、とわたくしは考えるのであります。──前回から一変して、かなり好意的な見方になっていることは承知しております。然れど変節に非ず。以前は見えていなかった部分が見えてきたために、意見に修正を加えたに過ぎません……という弁明。

 本話にていちばんわたくしの胸を貫いたのは、熊のパーカーを着て、きな子実家近くへ姿を現した、澁谷かのん嬢でありました。東京にいるときは、1年生部員が突然別行動を宣言・旅立ったことで顔を覆って放心する程曇り、かと思えば1年生の練習風景を撮影した動画を観てそのパフォーマンス・レヴェルの成長ぶりに手を叩いて喜ぶなど、メンタルの乱高下が確認できた。久々に針が両極端に振り切れた情緒不安定ッぷりを披露してくださったかのん嬢ですが、そんな彼女もと或る事情で北海道へ。
 屋外の五右衛門風呂で鬼塚ときな子がシリアスな会話を展開している最中に、森のなかからふらりと現れ、鬼塚が1人になると草を踏み荒らしながら木陰からぬっと姿を見せる。熊のパーカーが殆ど着ぐるみにしか見えないぐらいサイズが大きいものだから、そりゃあ鬼塚でなくても「クマーッ!?」と叫びます。幸い事は、そこに猟銃を持ったきな子やその親御さんがいなかったこと。もしいたら、いま頃は……第07話からまったく違う話になっているか、NHKから強制打ち切りを通達されるか、でしょうね。むろん、どこからでも湧いて出る抗議団体は、放送終了直後からクレーム活動を展開するでしょうね。
 まぁ、そんなブラックな話はともかく。
 この、熊のパーカーを着たかのん嬢が、とても可愛らしいのです。うん、愛おしいですね。叫ぶ鬼塚を宥めるためにフードを取る過程のかのんの表情、その1つ1つもスクリーンショットで保存したくなるぐらいの可愛さだ。「可愛い」の連呼ばかりで語彙力不足を実感している。勘弁してほしい。だって本当に可愛いんだから、仕方ないじゃん。
 どうして「熊」と「澁谷かのん」はこんなに親和性が高いのだろう。というよりも、このパーカー、偶々北海道に出掛けていたお父さんの忘れ物を届けた際、お土産に、って買ってくれたものであるとのこと。
 娘に、長女にこうしたプレゼントを贈るぐらいだから、親はわかっていたのだろう、熊とかのんの親和性を。或いはその愛好の深さを。案外とかのん、幼い頃は家で仕事をしている両親の邪魔にならぬよう、時には妹と一緒に(ちぃちゃんも一緒?)『クマのプーさん』シリーズのDVDでも繰り返し観てたのかもしれない。……かのんの年齢で流石に『テッド』はブラック過ぎるし、『パディントン』も──これは観ている可能性あり、か。
 なお、『クマのプーさん』シリーズでは、定評ある劇場用長編『クリストファー・ロビンを探せ!』が屈指の名作である。クリストファー・ロビンを想って夜中、1人(1匹……1頭か)歌うプーさんの淋しげな姿にかのん嬢の涙腺が崩壊していたかも、と想像すると──済みません、書いているこちらもヤバいんですけれど。
 父親がお土産に買ってくれたパーカーを着て、後輩たちに差し入れするなんて、なんとまぁ茶目っ気たっぷりなLiella!のリーダーではありませんか。もっとも、先程お話ししたように場合によっては命の危険もあったわけですが。
 それにしても澁谷父子の仲の良さは羨ましいな。親子仲が良好なのは良いことであるよ。
 でも、翻訳家のお父さんは、北海道でなにをしていたのでしょう。録画したものを最初に観たときからずっと、仕事かな、と思うていた。翻訳家仲間、出版社や編集プロダクションの担当者、そうした人々との勉強会や懇親会(実態はともかく)であったのかもしれない、と。
 しかし、実際はスクールアイドルの練習で忙しい長女は不参加の、家族旅行であったかもしれない、と思い始めた。そうなると差し入れの提案やアドヴァイスは母親から出たかもしれないし、きな子実家までの交通機関の料金は両親が出してくれた可能性だってある。澁谷家程父親が物語の表層に現れて、展開に関与するファミリーも珍しいが、これも1期で家族のつながりや関係性を端的ながらきちんと描いて見せ、家庭のあたたかさを想起させる部分を見せていたからこそでありましょう。

 ──多少の問題は残しつつも、鬼塚夏美はLiella!9人目のメンバーになった。可可いうところの、「スクールアイドルの“9”は絶対数。レジェンドスクールアイドルが残した“9の奇跡”!! これでLiella!もレジェンドスクールアイドルの仲間入りをする資格を得た」わけですが、鬼塚は是非、可可とメイのスクールアイドル講義を受講して9人目になったことの意味をしっかり理解してほしい。
 9人になって初めての曲、「ビタミンSUMMER!」はアイドル鬼塚夏美のデビューを飾るに相応しい、活発で健康的な作品でした。早くフルサイズで聴きたいものであります。
 もっとも9人体制は今期のみで、3期では12人になる気もしているのですが。……江東区の某虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を参照のこと(2期)。かのんの妹ありあや、年齢不詳ながらすみれの妹が入部したら面白いとは思うけれど、これはこれで予定調和の域を出ませんね。

 実は本話に関してはちょっと、どうしても見過ごせない問題が1つ、あるのですが、それはまた別の機会にお話ししましょう。ネタの温存を図っているのではありませんよ、いや、マジで。




 第07話「UR 葉月恋」は08月28日放送予定。
 それにしても「UR」とは。本話で可可に借りたゲーム端末ですっかりゲームに嵌まった恋ちゃんの、ポンコツ・エピソードふたたび……? また開けなくてもいい扉を開いたのか、恋ちゃん。
 あれ、キャラクターのフルネームがサブタイトルになるのは、これが初めてな気がする……。◆

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