第3460日目 〈あなたのパソコン、誰にも覗かれていませんか?〉 [日々の思い・独り言]

 市内某所のスタバにいる。例によって例の如し、だ。夏休みのせいか、普段なら空く時間帯でも席は埋まっている。そんなときはあたりをブラブラしてから戻り、うまい具合に空席を見附けてしばしの時間を過ごす。そこまでして……という嘆息がどこかから聞こえてくるが、聞こえないふりしてスルーしよう。
 そのスタバも何年か前にリニューアル。円柱を取り囲むようにカウンター席が設けられた。そこは電源が埋めこまれているので、わたくしのようにノートPCを持ちこんで作業する向きには大人気の席である。そのカウンター席にあぶれるとすぐ後ろの丸テーブルの席か、同じ並びの丸テーブル席に座を占めるのがわたくしの定番的行為だ。
 さて、本題である。
 いまわたくしはカウンター席すぐ後ろの、窓際に面した丸テーブル席に坐っている。黄昏の刻、空は徐々に薄闇に染まってきた。
 ぼんやり外を眺めているうち、カウンター席の客が席を立った。荷物を片附けてその場を去ったのではない。お手洗いに立ったのか、ドリンク或いはフードの追加注文か、はたまた別用か。定かではない。正直、どうでもいい。が、その客は使っていたノートPCの画面をそのままにして、席を外したのである。ちょっと視線をそちらへ動かせば、画面は丸見え、どんなソフトを使ってどんな作業をしているのか、すべて否応なく見えてしまう……。
 この人には安心しているのか。誰も覗きはしない、と。根拠なき自信に満ちているのか。作業中の画面を見られても支障はない、と。それともただのおっちょこちょい、或いはただの忘れんぼさん、もしくはただ単にセキュリティの認識がないだけか。
 他の企業がどうだか知らないけれど、コールセンター業界では自分の端末をロックして離席するのは最初の研修で叩きこまれる一つ。会社によっては当該オペレーターが戻ったら即座に呼び出し、上長から指摘とお説教とフィードバックと研修内容思い出しが渾然一体となった〈お話〉がそのあとに控えている。
 案外とこれを忘れる人が多いのだ。急いで離席せねばならぬ理由があるわけでもない者は勿論、管理者もうっかりと忘れて席を離れることがある。ただ管理者の場合離席の理由は様々ゆえ、いちいち画面をロックしていられない、という事情もあるけれど──。
 とはいえ、これはあくまで社内の話。幾らでも情報流出の阻止は講じられる。それに、他の人の、監視する目がある。安全とはいい切れないけれど、セキュリティの脅威に曝されている屋外──業務エリア以外のすべての場所──よりはずっと安全だろう。勿論、サイバーテロを受けて情報漏洩してしまいました、とか、どこかの阿呆がメール等に添付されたファイルを開いたりURLをクリックして情報漏洩orウィルス感染してしまいました、なんていう、認識の甘さが招いた事故とは無縁であることはできないけれど。
 とはいえ、それでも屋外でWi-Fiにつないだまま作業する、画面をロックしないで席を外す、などに較べれば、リスクはまだ低いように思うのだ。
 然り、屋外でネット環境につないで(長時間)作業する、画面未ロックで離席することは、そのままあらゆる第三者の好奇の目を向けさせるにじゅうぶんであり、時に知らずハッキングされてパソコン内部のデータを吸い取られるといったリスクに曝されていることをも意味する(macOSや殊iOSでAirDropを使った「わいせつ物頒布罪」(刑法175条1項)相当の〈ポルノ爆弾〉も一時話題になった)。
 ノートPCについてお話してきたけれど、大画面のスマホやタブレットでも同様のことがいえよう。もっとも後者の場合、離席するときは大抵持ち歩くでしょうから然程問題視しなくていいのかもしれませんけれどね。……盗難に遭った経験ある人は顔を紅潮させて、「否!!」と叫ぶでしょうけれどね。
 ……いま、件の人物が戻ってきて、なにもなかったかのように作業を再開した。あなたが留守中、誰もあなたの端末に興味は示さなかったろうか? 直接画面を覗き見る人こそいなかったが、ちょっと技術のある人なら痕跡残すことなくハッキングすることは簡単だろう。
 自分も経験があるので、その点は十分に注意している──作業中は余程の理由がない限りネット環境につながないこと、離席する際はMBAをスリープ状態にするか持ち歩くかすること、を常としている。むろん、そこに奥方様のように信頼置ける人が同席していれば、端末の管理込みでお留守番を頼めるけれど、なかなかそんな幸運に出喰わすことは残念ながら、ない。
 あなたも、同じだ。◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。