第3465日目 〈旧統一教会と政治家の、例のアレ。〉 [日々の思い・独り言]

 1週間分の新聞を読んでいて、改めて驚かされる。──旧統一教会となにかしらの関わりを持った政治家って、与野党全体でこんなにいるのか!? 発端となった清和会にもあれだけの数が……。ほじくり返せばあと2,30人は出そうな気がする。
 しかし皆さん、どんな気持ちで献金を受けたり、ヴィデオ・メッセージを寄せたり、なんてことをしていたのだろう?
 殊いま現役で要職にある方々の初当選時期は、旧統一教会が合同結婚式と霊感商法で負のイメージを世に散布しまくった時期に重なるはず。リアルタイムで進行中な社会的出来事の推移には無関心で、己の選挙活動に必死だったのだろうか? そんなに地道でドブさらうような選挙活動を先生方、していたんですか? 
 関わることで政治家としてのキャリアに傷が付く、或いは世にこれが知れては政治家生命危うく再起も困難かもしれぬ、と想像することはできなかったのか? それとも、献金もメッセージもその他も、「すべて秘書のやったことです」と? 阿呆か。
 どちらにせよ今回名前が挙がって集中砲火を受けている先生方は、自分の心のなかに灯る黄色信号、赤信号を無視する胆力と、良心を欺き更にそれを埋めて均してその上を何事もなかったように闊歩する逞しさをお持ちのご様子。或る意味で羨ましい限りだ。
 旧統一教会がここまで党派の別なく政治家たちの活動に影を落としているとなると、病根は相当に深いだろう。関わりなき政治家たちがどれだけ声を大にして、あらゆる法規範を適用して一掃への道を切り拓いたとしても、根絶は難しいのではないか。
 政治(家)と宗教(団体)の複雑怪奇で切り離し困難な関係について、ヒートアップした頭を冷やし、此度の事件で植えつけられた固定観念を取り払って、歴史を踏まえて点検・検証してゆく作業が必要になりますね。実際の切り離しが強行できれば、もっと良し。
 もっとも──そうはいってもね、かつては一致もしくはかなりの部分で重なりあっていた両者を完全分離させるのって、元々不可能に思えるんだよな。それいい始めたら、公明党と創価学会はどうなんだ、っていう話になりますしね。

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 ──と始まるエッセイを書いて一旦棚上げしたのは、2022年08月10日(水) 17時52分のことである。
 あれから20日が経過した。この問題は政界全体に飛び火した。他の党が本腰入れて所属議員に対して聞き取りなどを始めるなか、疑惑の本丸、自民党も当初の方針を改めて、所属議員全員の調査を開始、結果を報告するよう通知した(08月27日朝日新聞、毎日新聞他)。自民党の調査結果は来月6日に発表される予定。
 あとからあとから接点ある政治家の名前が、新聞各紙やNHKの報道で明らかになってゆく。共産党とれいわ新撰組以外はなにかしらの接点を持っていた、とは驚きだ(NHK-BS1『クローズアップ現代』〜「旧統一教会と政治 見過ごされてきた関係」)。が、然程驚くには値しないのかもしれない。まだ判明していない部分もあるはずだから。それにしても……民主党前代表の枝野さんまでが。
 岸田首相は08月10日夕刻、第2次岸田改造内閣を発足させた。旧統一教会との関わりを否定すべく、その批判をかわすべく、沈静させるべく断行した、起死回生の内閣改造であった。
 にもかかわらず、旧統一教会と接点ある閣僚を入閣させ、かつ後出しで関係が取り沙汰される閣僚が続出したことで批判の声は激しくなるばかり。
 朝日新聞が行った世論調査では岸田内閣の支持率は47%(08月29日朝刊)。7月参院選後に第2次岸田内閣が発足した直後の調査と較べれば、10%減(ちなみに不支持率は39%で14%増)。
 読売新聞が早稲田大学先端社会科学研究所と共同実施した世論調査での支持率は61%、不支持率は29%となった(08月28日朝刊)。
 後者の数字を見ると「なんだ、支持率高いじゃん」と錯覚するが、政権寄りの読売新聞らしくきちんとカラクリがあった。第2次岸田改造内閣発足直後に実施した単独での世論調査では51%だったが今回の共同調査では、「今回の調査は、急落する前の回答が大半を占めるため、支持率は61%だった」と摩訶不思議な説明が付されている。
 ここでは政権に厳しい目を向ける朝日新聞が発表した世論調査の支持率/不支持率の方が、より実体に近いだろう。どちらへ転んだにせよ、もはや政権はレイムダック寸前である。新興宗教と国葬断行ヘの対応不備が、クリーンなイメージで誕生した岸田首相を追いつめた形だ。
 おまけに、熊本県で首相の後援会長を務める人物が教団関連団体(日韓トンネル推進熊本県民会議)の議長を務めていた、という。首相自身は自分と教団の間に接点はない、とオンライン取材で答えたそうだが……。
 荻生田政務調査会長や高市経済安全保障担当大臣のような旧統一教会との関わりが判明しても、岸田首相はかれらを解任しようとしない。亡き元首相の影に怯える現役首相。最大派閥の数の論理と圧力に白旗あげる現役首相。手枷足枷嵌められて、拘束されているも同然の現役首相。国民はそんな首相を呆れ顔で眺めて、〈岸田ヴィジョン〉を見限りつつある。
 かれらの任命について、岸田首相は説明も釈明もしようとしない。ロッキード事件で有罪が確定している人物を入閣させたことを謝罪した、橋本元首相を見習ってはどうか(1997/09/22)。「過ちは早急に正したい。同時に国政に一刻の停滞も許されない。これが本日決断をいたしました人事についての私の率直な思いであります」──会見に於ける橋本元首相の言葉である。
 然り、国政に一刻の停滞も許されないのだ。岸田首相はこのことをご理解されているか。留学生30万人受け入れを見直して更に人数を増やす計画です、など脳ミソお花畑を疑われて国家を壊滅的させるような企み練っている場合では、ない。
 国葬強行への批判も相俟って、もはや岸田内閣に、「聞く力」をアピールしてきた岸田首相その人に信を置く者が、果たしてどれだけいるだろう。
 岸田さん、あなたがいまやるべきは、国葬の見直しと改憲の是非を国民に問うこと、旧統一教会と政権の癒着を徹底的に調査して膿を最後の一滴まで絞り出して永遠に関係を断つこと、北朝鮮・中国・ロシアの(核攻撃をチラつかせた)恫喝と脅威に毅然と立ち向かうこと、そうして「国民の生活を第一」に考えて物価高を能う限り抑えて生活への不安を取り除くべく行動すること、なのではないか。
 わが家は父方も母方も地縁を主理由に、自民党とは結党当初から浅からぬ縁がある。必然の流れとしてわたくしも、選挙権を持ってからはたいがい、自民党候補に票を入れてきた。いい換えれば、野党に票を投じざるを得ぬ程自民党政治に愛想を尽かしたときもある、ということ。
 いまはどうか。顧みれば現在くらい自民党の体質に、嫌悪感と失望を抱いたことはない。これまでは許容できる部分もあったが、現在は……なにもない! nothing! ポオ風にいえば、”never more”である(但し翻訳による)。
 かれらがなにをいっても、旧統一教会の影がそこにはチラつく。信じるのか。信じていいのか。それ程自民党の議員たちは、否、各党の政治家たちは、〈角栄事件〉や〈リクルート事件〉に匹敵する戦後最大クラスの政治不信を、国民に植えつけたのだ。
 選挙権を持つと持たざるとに関わらず、この際歴史に記録されて然るべき程の「否」の鉄槌をかれらへ叩きつけてよいのではないか。政教分離の徹底、という名目で、否の鉄槌と怒りの声を、連衆にぶつける機会ではないか。
 いっそのことね、衆参同時解散 / 全政党解体→国会議員総入替え選挙を実施すればいい。誰がどこでどう関係を持っていたか不透明な以上、例の団体とは無縁の政治家さんたちには申し訳ないが、そんな方々にもこの際、泥水飲んでもらいましょう。
 勿論そのときは、旧統一教会と繋がりのあった政治家は事務所の閉鎖・後援団体の解消・どこの選挙区からも出馬は永久禁止、この3点を誓約させ(選択肢はない)、更にあらゆる既存法人への就職を禁ずるのみならず、自分が設立或いは家族や秘書等関係者が設立した法人への就職を厳禁とする。
 ──え、収入が途絶える? どうやって生活してゆくんだ? なにを仰る。それくらいの預貯金や資産はございましょう。身分相応の暮らしをしなさいよ。呵呵。

 余談だが、「旧統一教会」が時々「給湯いつ今日かい」と変換されるのが、個人的に可笑しくてたまらない。やってくれるぜ、ATOK。◆

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