第3485日目 〈48グループが「いた」時代。〉 [日々の思い・独り言]

 長く愛読(立ち読み)してきた『Sax World』誌の連載、「古畑奈和の輝け! サクソフォン次世代エースへの道」が現在発売中の最新号で最終回となった。その事実に、打ちのめされてはいないが一抹の淋しさを覚えているのは否定できないみくらさんさんかです。
 今年05月にSKE48を卒業したことも関係あるのだろうが、1年に4回の愉しみがなくなってしまうのは、やはり淋しいものです。黒髪時代の奈和ちゃんからピンク髪の奈和ちゃん、髪の色が落ち着いて良い感じになった奈和ちゃんまで、娘の成長アルバムを見るかの如き感覚はもう味わえなくなるんだな。なんだかね、目のなかに入れても痛くない愛娘の成長を見守り、遂にはお嫁に出す(”ドロボー野郎”に奪われてゆく)父親の気分であります。
 そういえば古畑奈和がSKE48に5期生として加入した頃は、まさにグループが「AKBに追いつけ、追い越せ」と下克上も視野に入れた活動をしていた時分であった。時系列は前後するが、念願のナゴヤドーム単独コンサートを実現し、シングル売上げ枚数は時に秋葉原の本体に肉薄し、地上波やCSチャンネルで冠番組が(地方局も含めて)誕生し、『紅白歌合戦』で単独出場した際は(夏先生が本当に企てかは知らんけど”ももクロ潰し”を狙って)須田ちゃんに8回ターンさせたり藤本美月に3連続バック宙させて話題を振りまき、NHK名古屋放送の音楽番組『Uta-Tube』では常連となり、ドキュメンタリー映画が製作されたり、等々等。
 あの頃をリアルタイムで知るメンバーは、現在のSKE48にどれだけいるか。総大将も教祖様も鳥姫も”んんん”も、3バカトリオも、場末のスナックのママも、”たからづか”も、”カツオ”も”男乙女”も”絵師”も、”うなさん”も、”キャプテン”も”かなかな”も、”姉さん”も””スマスマ事件”も、いまはもういない(※)。
 古畑奈和と同じく須田亜香里も卒業したいま、あの時代は完全に過去の栄光となった。そうしてそれは恐らく、2度と戻らぬ幸せな時代でもあった。
 最早わたくしが箱推し、もしくは単推ししたSKE48は消滅した。今後〈SKE48箱推し〉は勿論、そこから誰かを見附けて推す……なんてことは決してないだろう。できない、というよりも、する気がない。
 そも箱推ししていたのは、AKB48のシングル/アルバム売上げ数でもコンサート実働人数でも後塵を拝していたSKEメンバーを、一人でも多く神7のなかへ送りこみ、秋葉原組の牙城を崩すという使命が、当時のSKE48を支えるわれらにはあったからだ。
 ちょっと年数はかかったけれど、その目的は最終的には果たされた──と軌を一にして48グループ全体の凋落も始まった。各グループの全盛期を支えたメンバーがその前後からグループを去ってソロ活動に移ったり、引退したり、を始めたからだ。まぁ、対戦相手が自分都合で退場したから順当に繰りあがった、というのが、いい方は非道いが実情だ。
 斯様にして去った元48グループメンバーは数多ありと雖も残念ながら、その後目立つ活動を残した人物は殆どいない。指原莉乃と松井玲奈の他に誰が?
 某クイズ番組の準レギュラーであった大家志津香は、お茶の間の知名度こそ指原と同等かそれに準じようが、さて、件の番組以外での活躍といえば……ああ、最早目的を見失った「池の水全部抜きます」番組があったな。まだ出演しているかわからんけれど、それがきっかけでソロ曲がもらえたのは儲けもんであったろう。
 卒業後も相応に安泰な活動をしているのは、むしろ坂道シリーズの面々ではないか。単純に、テレヴィを点けたらCM等でよく顔を見かける、という貧弱かつ最高にわかりやすい基準で判断している。それはいい換えれば、継続して流されるCMの本数(社数)、諸番組に出演する回数など「頻度」の話でもある。そうした観点でテレヴィを点けた場合、──48グループの卒業生の誰を、坂道シリーズの卒業生たち以上に見ますか? わたくしは残念ながら「否」である。
 かつてのモー娘。のように48グループが、或いはそのなかの1つが息を吹き返して後続グループに対して巻き返しを図り、J-POPシーンの第一線で健闘する姿を目にすることはあるまい。が、見方を変えれば48グループの凋落と坂道グループの躍進と停滞は、音楽が消費される現代の象徴的存在といえる。爆発的に売れるよりは、地味にしぶとく売れる/聴かれる方が、人々の記憶に残りやすい、という意味も含む。然り、彼女たちはネガティヴな意味でのアイコンなのだ。
 彼女たちの存在とその盛衰は、他の歌手たちにこんな課題を突きつけたも同然と思う。即ち、「今後、如何にして長く聴かれてゆく(消費されない)音楽を作り出してゆくか」、「たかだか1曲程度ブレイクしたからといって慢心せずに自分を保ってゆくにはどうしたらいいか」、「自分の音楽を見失うことなく、少しでも長く活動してゆくその方法と心掛けるべきことは?」──。
 まァ48グループの没落は、メジャーデビュー以前から劇場で観てきた(観させられてきた)者からすれば、非常に悲しいことではあるけれどいずれは訪れた未来の姿。あらかじめ予定されていた未来が実現しただけのこと。
 盛衰の過程でSKE48という姉妹グループが生まれ、そこから本稿で名前を挙げた数名のみならず多くのアイドルたちが活躍する土壌を提供した、という点に於いて感謝しよう。たくさんのメンバーが去った。もう彼女たちは蜃気楼のような姿しか見せてくれない。森田健作ではないが、「さらば、涙といおう」である。
 ──ふと思い立って画像検索してみた。そうして改めて確認した。
 古畑奈和って本当に昔っから(堀北真希と瓜二つなお子様な頃から)、ホッペタの丸っこい愛すべき狸顔やったんやな。狸顔好きやから、別に構へんけどな。そこがまた可愛いわけやし。◆


※「誰のこと?」と訊かれる前に、氏名を挙げます。順に、──
 松井玲奈、大矢真那、高柳明音、向田茉夏、木﨑ゆりあ、木本花音、矢神久美、小木曽汐莉、秦佐和子、桑原みずき、中西優香、古川愛李、北原里英、平田璃香子、平松加奈子、佐藤実絵子、菅なな子、
──であった。
 ここに、宮前杏実と東李苑、本文中に名を出した古畑奈和、須田亜香里、藤本美月、を加えれば、わたくしにとってのSKE48ベスト・メンバーとなる(但し1名、便宜上加えざるを得なかった人を除く)。
 それにしても懐かしい名前が並んだなぁ。□

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