第2981日目 〈長編小説『ザ・ライジング』第5章&エピローグのまとめです。〉 [小説 ザ・ライジング]

 本章にて希美の未来が一瞬、描かれます。それはやがて現実となるのですが、そこに至るまでの10年間、彼女は再び青木ヶ原樹海で苦境に立たされます。<旅の仲間>の一角は崩れてもはや昔のような結束は失われようとしていました。
 そうしてその後、出会った男性と結婚して一男二女をもうけます。娘の1人は紀伊半島で起こった事件の目撃者となり、希美自身も事件の中心となる夫婦と、その数年前に沼津市で邂逅していました。
 自分の家族を作ったとはいえ、希美は心からの幸せは感じていなかったと思います。夫は最愛の人とは言い難く、その心にはいつまでも17のときに死に別れた婚約者の姿があります。おそらくそれを払拭することは、誰にもできないことだったのでしょう。
 これはすべて以前思うていたことですが、ちかごろつくづくとわたくしは、自分の未来を既に小説のなかで予見していたのだな、と思うことであります。希美の、将来を約束した相手を永遠に失い、そのまま心は抜け殻のように生きてゆく……。そうしてわたくしは、自分の未来を希美の人生であらかじめトレースしていたわけです。
 わたくしも、人生で最期に心から思う女性とはけっして結ばれず、その人の幸せを祈るより他なく、独りで生きて、そうして死んでゆくことになるのです。でも希美の方が幸せかもしれません、曲がりなりにも看取ってくれる家族がいるわけですから。わたくしにそれは、ない。婚約者亡きあと独りで33年生きてきて、それを心底欲したのは〈フォーラムの可憐な花〉だけだった。あなた以外の誰とも家族を作りたくはない。もう誰も要らない。
 では、以下、第5章とエピローグのまとめです。2021年03月24日 20時53分

 第2541日目 〈『ザ・ライジング』第5章 1/24〉
 第2542日目 〈『ザ・ライジング』第5章 2/24〉
 第2543日目 〈『ザ・ライジング』第5章 3/24〉
 第2544日目 〈『ザ・ライジング』第5章 4/24〉
 第2545日目 〈『ザ・ライジング』第5章 5/24〉
 第2546日目 〈『ザ・ライジング』第5章 6/24〉
 第2547日目 〈『ザ・ライジング』第5章 7/24〉
 第2548日目 〈『ザ・ライジング』第5章 8/24〉
 第2549日目 〈『ザ・ライジング』第5章 9/24〉
 第2550日目 〈『ザ・ライジング』第5章 10/24〉
 第2551日目 〈『ザ・ライジング』第5章 11/24〉
 第2552日目 〈『ザ・ライジング』第5章 12/24〉
 第2553日目 〈『ザ・ライジング』第5章 13/24〉
 第2554日目 〈『ザ・ライジング』第5章 14/24〉
 第2555日目 〈『ザ・ライジング』第5章 15/24〉
 第2556日目 〈『ザ・ライジング』第5章 16/24〉
 第2557日目 〈『ザ・ライジング』第5章 17/24〉
 第2558日目 〈『ザ・ライジング』第5章 18/24〉
 第2559日目 〈『ザ・ライジング』第5章 19/24〉
 第2560日目 〈『ザ・ライジング』第5章 20/24〉
 第2561日目 〈『ザ・ライジング』第5章 21/24〉
 第2562日目 〈『ザ・ライジング』第5章 22/24〉
 第2563日目 〈『ザ・ライジング』第5章 23/24〉
 第2564日目 〈『ザ・ライジング』第5章 24/24〉
 第2565日目 〈『ザ・ライジング』エピローグ 1/1〉
 第2566日目 〈小説完結のお知らせと、これからの本ブログのこと。〉

 登場人物は作者を映し出す。それが真実であることを、執筆から20年近くたってようやく思い知らされましたよ。
 ──きっともう2度と、このような小説は書けないだろうなぁ。あらゆる意味で不可能。あらゆる意味で、奇跡。

 ご愛読、ありがとうございました。◆

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