第3394日目 〈葛飾郡真間郷の夫婦の物語を現代語訳したい。〉 [日々の思い・独り言]

 春らしい日もないまま梅雨入りしそうな感のある5月であります。「片岡に露みちて、/揚雲雀なのりいで、/蝸牛枝に這ひ、/神、そらに知ろしめす。/すべて世は事も無し。」とブラウニングが謳った春は、いずこに? それでも今日は朝、駅へ着く前に青空を見、虹を──彩雲を見た。思わず写真に撮った。
 大型有給を満喫中、と優雅にいえればいいけれど、実体は然に非ず。昨日から腹の調子が思わしくないのだ。むろん、飲み過ぎでも食べ過ぎでも、コロナ感染でもない。……否、食べ過ぎはあるかな。
 とまれ、具合が悪く、巣鴨詣から帰宅後は宵刻まで横になっていたのである。……ダチョウ倶楽部上島竜兵急逝のニュースを脇に聞きながらね。惜しい芸人を亡くしたなぁ。高校生の頃から見ていて年齢もそう離れていないと思うのに、こうやって若死にされてしまうとわが前途も不安になってしまう、というのが正直なところ。関係者の方々には失礼と承知しつつも、そう思うのである……。
 テレヴィを消して家人が食事の仕度にかかると、わたくしは書架を眺めて1冊の目についた本を手に取り、巻を開いて活字を追う。そうして、翻訳用ノート1ページにシャープペンを走らせ、時に歴史の参考書や用語集も開いて、舞台や登場人物の書き出し、その他の下調べなど。
 ──近世期の怪談の現代語訳と並行して、上田秋成の現代語訳もこちらの予定にはあった。手始めに『雨月物語』から、読み返した回数いちばん多いと思われる「浅茅が宿」を。これ、8代将軍義政の時代のお話なんですね。夫婦の愛と絆と信じる想いに胸打たれる名編ですね。
 もしかすると、次の近世怪談現代語訳よりも先に、こちらをお披露目できるようになるかもしれない。願望、というよりは現実的な観測、かしら。いや、……。◆


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